高校野球選手における夏季暑熱環境下の食物摂取の減少が体格に及ぼす影響とエネルギー代謝との関連
背景・目的 : 夏季暑熱環境下では食物摂取が減少し、体格や競技力に影響を及ぼす可能性がある。そこで、夏季の食物摂取の減少について調査し、体格に及ぼす影響を調べるとともにエネルギー代謝や甲状腺ホルモンとの関連について検討した。 方法 : 高校硬式野球部に所属する男子生徒を対象として、春季~冬季にわたり栄養調査、身体計測、生活時間調査(AC : activity record)を3回行った。さらに、安静時エネルギー代謝量(REE : resting energy expenditure)、甲状腺ホルモンを測定し、エネルギー(E)摂取との関連を調べた。栄養調査からE摂取量を計算し、ACから総エネルギ...
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          | Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 77; no. 2; pp. 127 - 142 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
    
        28.02.2014
     日本温泉気候物理医学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0029-0343 1884-3697  | 
| DOI | 10.11390/onki.77.127 | 
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| Summary: | 背景・目的 : 夏季暑熱環境下では食物摂取が減少し、体格や競技力に影響を及ぼす可能性がある。そこで、夏季の食物摂取の減少について調査し、体格に及ぼす影響を調べるとともにエネルギー代謝や甲状腺ホルモンとの関連について検討した。 方法 : 高校硬式野球部に所属する男子生徒を対象として、春季~冬季にわたり栄養調査、身体計測、生活時間調査(AC : activity record)を3回行った。さらに、安静時エネルギー代謝量(REE : resting energy expenditure)、甲状腺ホルモンを測定し、エネルギー(E)摂取との関連を調べた。栄養調査からE摂取量を計算し、ACから総エネルギー消費量(TEE : total enregy expenditure)を算出し、エネルギー(E)バランスを決定した。またREEは呼気ガス分析により測定し、甲状腺ホルモンはT3、FT3、FT4を定量した。 結果 : 夏季のE摂取の減少は、約70%の選手で起こったので、E摂取が減少した群をLA、減少しなかった群をHAとした。TEEは両群ともに夏季に増加したので、E摂取が減少したLAではEバランスは有意に低下し負に傾いた(約-690kcal/day)。彼らの体重および上腕周囲長はそれぞれ春季よりも有意に減少し(p<0.05)、その減少率は約2~4%であった。食事のエネルギー構成比率は、LAでは高炭水化物食、HAでは高脂肪食の傾向であった。また、E摂取が減少すると、マクロ栄養素もミクロ栄養素も減少した。REEは、夏季に有意に減少し、E摂取の減少と関連することが示唆された。一方、T3、FT3は、夏季には変化はなかったが、冬季に有意に上昇しREEとの関連が見られた。 結論 : 夏季環境下におけるE摂取の減少は、体重および上腕周囲長の減少を引き起こし、体格に影響を与えた。E摂取の減少は、REEの低下と関連することが示唆された。 | 
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| ISSN: | 0029-0343 1884-3697  | 
| DOI: | 10.11390/onki.77.127 |