認知症高齢者のおだやかスケールの開発

【目 的】 認知症高齢者のおだやかスケール (以下OS) を開発し, その信頼性, 妥当性を検討する. 【対象と方法】 高齢者ケア施設を利用している65歳以上の認知症高齢者122名を対象とした. スケールの評価項目は, 認知症の看護, 介護経験者に, 「認知症高齢者のおだやか像は_である」という文章完成法の回答より抽出後, 認知症有識者による重みづけを行い, 5領域48項目からなるOS原案を作成した. 調査用紙は, OS原案, QOL評価スケール (AD-HRQL-J), 行動感情評価スケール (BMD) の3つを用いた. 【結 果】 因子分析により「周囲との交流」9項目, 「自分らしさの発揮...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 60; no. 2; pp. 119 - 134
Main Authors 小泉, 美佐子, 辻村, 弘美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2010
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.60.119

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Summary:【目 的】 認知症高齢者のおだやかスケール (以下OS) を開発し, その信頼性, 妥当性を検討する. 【対象と方法】 高齢者ケア施設を利用している65歳以上の認知症高齢者122名を対象とした. スケールの評価項目は, 認知症の看護, 介護経験者に, 「認知症高齢者のおだやか像は_である」という文章完成法の回答より抽出後, 認知症有識者による重みづけを行い, 5領域48項目からなるOS原案を作成した. 調査用紙は, OS原案, QOL評価スケール (AD-HRQL-J), 行動感情評価スケール (BMD) の3つを用いた. 【結 果】 因子分析により「周囲との交流」9項目, 「自分らしさの発揮」7項目, 「満足・活気」6項目, 「活動の楽しみ」3項目の4領域25項目のスケールを作成した. 相関係数では, AD-HRQL-Jとは0.79, BMDとは-0.74で, 再テスト法による相関係数は0.97であった. また, スケール全体のCronbach α係数は0.96で, 各領域のα係数は「周囲との交流」が0.92, 「自分らしさの発揮」が0.90, 「満足・活気」が0.86, 「活動の楽しみ」が0.89であった. 【結 論】 OSの信頼性, 妥当性は検証された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.60.119