わが国における胃癌に対する低侵襲手術の現況

「I. はじめに」胃癌はかつて日本人の癌死亡率の第1位であったがピロリ菌感染率の減少により近年減少している. しかし現在でも胃癌の罹患数は2019年に12万6,009人(男性8万6,905人, 女性3万9,103人)と多い. また死亡数は2020年に4万2,319人で(男性2万7,771人, 女性1万4,548人), がんの部位別死亡数でもいまだ3位であり(男性2位, 女性5位), いまだに多くの患者を悩ます主要な癌である. 胃癌治療は根治性と治療の患者への侵襲を考慮して病期(ステージ)に応じてリンパ節転移の無い粘膜癌(ステージIA)には内視鏡的粘膜切除(Endoscopic Mucosal...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 19; no. 3; pp. 254 - 262
Main Author 櫻澤, 信行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 31.08.2023
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.19.254

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Summary:「I. はじめに」胃癌はかつて日本人の癌死亡率の第1位であったがピロリ菌感染率の減少により近年減少している. しかし現在でも胃癌の罹患数は2019年に12万6,009人(男性8万6,905人, 女性3万9,103人)と多い. また死亡数は2020年に4万2,319人で(男性2万7,771人, 女性1万4,548人), がんの部位別死亡数でもいまだ3位であり(男性2位, 女性5位), いまだに多くの患者を悩ます主要な癌である. 胃癌治療は根治性と治療の患者への侵襲を考慮して病期(ステージ)に応じてリンパ節転移の無い粘膜癌(ステージIA)には内視鏡的粘膜切除(Endoscopic Mucosal Resection:EMR)もしくは内視鏡的粘膜下層切開剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)が適応となり, 腹膜播種などの根治切除が不可能なステージIVには抗癌剤などの薬物治療が行われる.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.19.254