大規模改修による系統解剖学実習室内ホルムアルデヒド濃度および学生の自覚症状の変化

「緒言」 我が国における医学部学生および指導教員は系統解剖学実習の際, 献体から揮発する高濃度のホルムアルデヒド等に曝露されるため, ホルムアルデヒドが主な原因と考えられる目, 鼻, のど等への刺激や頭痛など様々な健康影響が懸念される. 実習室内のホルムアルデヒド濃度測定は数年前から我が国の数ヶ所の大学において行われ(1-5), 結果を受けて実習室の改修工事など, 大学全体でホルムアルデヒド曝露低減のための改善策が施されている(6-11). 2002年の厚生労働省の「職域における屋内空気中のホルムアルデヒド濃度低減のためのガイドライン」(12)のホルムアルデヒドの特定作業場における指針値は0....

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 67; no. 4; pp. 501 - 507
Main Authors 山木, 宏一, 森, 美穂子, 星子, 美智子, 原, 邦夫, 嵯峨, 堅, 石竹, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2012
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.67.501

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Summary:「緒言」 我が国における医学部学生および指導教員は系統解剖学実習の際, 献体から揮発する高濃度のホルムアルデヒド等に曝露されるため, ホルムアルデヒドが主な原因と考えられる目, 鼻, のど等への刺激や頭痛など様々な健康影響が懸念される. 実習室内のホルムアルデヒド濃度測定は数年前から我が国の数ヶ所の大学において行われ(1-5), 結果を受けて実習室の改修工事など, 大学全体でホルムアルデヒド曝露低減のための改善策が施されている(6-11). 2002年の厚生労働省の「職域における屋内空気中のホルムアルデヒド濃度低減のためのガイドライン」(12)のホルムアルデヒドの特定作業場における指針値は0.25ppmであった. 2007年に日本産業衛生学会がホルムアルデヒドの許容濃度を0.1ppmとし(13), 2008年に特定化学物質障害予防規則が改正され(2008年3月1日施行), ホルムアルデヒドを使用する作業場における管理濃度が0.1ppmとなり(14), 基準がより厳しくなった.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.67.501