若年健常者男性における温浴を併用した運動療法が血中BDNF濃度に与える影響
【目的】健常若年男性における40℃頚下浸水と自転車エルゴメーターを用いた15分間の持久運動の併用が,血清BDNFの濃度変化に与える影響を評価することを目的とした. 【方法】実験は,パラレルデザインで実施した.10名の健常男性を対象とし(年齢23.7±0.8歳),介入群は,40℃の頚下浸水(head-out water immersion:HOI)と自転車エルゴメーター運動を組み合わせた群とし(40℃ HOI-ex),比較対照群は,40℃のHOIのみとした. 30分間の安静後,40℃ HOI-exまたは40℃ HOIを15分間実施し,30分間の回復を設けた.実験中は,心拍数,血圧,深部温度...
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          | Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 86; no. 2; pp. 33 - 40 | 
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| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
    
        14.05.2023
     日本温泉気候物理医学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0029-0343 1884-3697  | 
| DOI | 10.11390/onki.2353 | 
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| Summary: |   【目的】健常若年男性における40℃頚下浸水と自転車エルゴメーターを用いた15分間の持久運動の併用が,血清BDNFの濃度変化に与える影響を評価することを目的とした.  【方法】実験は,パラレルデザインで実施した.10名の健常男性を対象とし(年齢23.7±0.8歳),介入群は,40℃の頚下浸水(head-out water immersion:HOI)と自転車エルゴメーター運動を組み合わせた群とし(40℃ HOI-ex),比較対照群は,40℃のHOIのみとした. 30分間の安静後,40℃ HOI-exまたは40℃ HOIを15分間実施し,30分間の回復を設けた.実験中は,心拍数,血圧,深部温度(食道温)を連続的に測定した.採血は30分間の安静後,実施直後,回復15分後,30分後で実施した.解析項目は,血清BDNF,P-セレクチン,血小板数,ヘモグロビン,ヘマトクリット,血漿コルチゾール,乳酸を測定した.  【結果】血清BDNF濃度は,40℃ HOI-exにおいて安静時と比較し,実施直後,回復15分後に有意な増加が観察された.40℃ HOIでは,血清BDNF濃度の変化は観察されなかった.深部温度は,40℃ HOI-ex,40℃ HOIにおいて安静時と比較し,実施直後,回復15分後,回復30分後に有意に増加し,群間差がみられた.血小板数は,40℃ HOIおよび40℃ HOI-ex共に変化はなかった.40℃ HOI-exのP-セレクチンは,安静時と比較し,実施直後,回復15分後に有意な増加が観察された.40℃ HOIでは,P-セレクチンの変化は観察されなかった.  【考察】40℃の頸下浸水と自転車エルゴメーター運動の併用は,15分間の短時間で血清BDNF濃度を増加させることができる.本研究における血清BDNF濃度の増加は,P-セレクチンが増加していることから,血小板由来である可能性が示唆される. | 
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| ISSN: | 0029-0343 1884-3697  | 
| DOI: | 10.11390/onki.2353 |