半揮発性有機化合物による室内汚染と健康への影響
「1. SVOCsによる室内汚染」 半揮発性有機化合物(Semi-volatile organic compounds, SVOCs)とは, WHOの定義によれば沸点260-380℃の化合物のことである(1). プラスティックに流動性を持たせるために添加される可塑剤(フタル酸エステル類, アジピン酸エステル類), 難燃性可塑剤(リン酸トリエステル類), 殺虫剤, 抗酸化剤として使用されるほかに界面活性剤, 殺虫剤などの原料となっているアルキルフェノール類に加え, 多環芳香族炭化水素, 直鎖状アルカン, ポリ塩素化ビフェニル(PVC), シリコンなど, 生活環境の中には実に多くのSVOCsが存在...
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| Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 64; no. 3; pp. 672 - 682 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人日本衛生学会
2009
日本衛生学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-5082 1882-6482 |
| DOI | 10.1265/jjh.64.672 |
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| Summary: | 「1. SVOCsによる室内汚染」 半揮発性有機化合物(Semi-volatile organic compounds, SVOCs)とは, WHOの定義によれば沸点260-380℃の化合物のことである(1). プラスティックに流動性を持たせるために添加される可塑剤(フタル酸エステル類, アジピン酸エステル類), 難燃性可塑剤(リン酸トリエステル類), 殺虫剤, 抗酸化剤として使用されるほかに界面活性剤, 殺虫剤などの原料となっているアルキルフェノール類に加え, 多環芳香族炭化水素, 直鎖状アルカン, ポリ塩素化ビフェニル(PVC), シリコンなど, 生活環境の中には実に多くのSVOCsが存在している. 低揮発性であるが, 添加母体のポリマー素材と共有結合を形成するわけではないため, 様々な製品から放散したものがガス状, 粒子の状態で室内空気中に存在することになる. さらに揮発しやすい他の揮発性有機化合物に比べた場合には検出濃度は低いが, 実際に室内空気中から検出される物質の種類も多い. |
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| ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
| DOI: | 10.1265/jjh.64.672 |