放射線治療を受けた食道癌・肺癌患者における放射線食道炎の実態と看護介入の検討
【目 的】 食道癌・肺癌患者の放射線食道炎の状況と対応を調査・比較し, 症状緩和のための看護介入法を検討する. 【対象と方法】 放射線治療を行った食道癌・肺癌患者を対象に, 治療前日から終了日までの症状出現時期, 嚥下スコア・嚥下障害のGradeの変化, 投薬状況の項目についてデータを診療録から収集した. 【結 果】 食道癌患者の半数以上が治療前から症状があった. 両疾患を比較して治療終了時のスコアの上昇は同程度であったが, 食道癌患者では早期にスコア・Gradeが上昇する傾向であった. 食道癌患者には症状自覚時期とほぼ同時期に粘膜保護剤の投与を開始していたが, 肺癌患者は投薬が遅い傾向であっ...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 60; no. 2; pp. 105 - 110 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
2010
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.60.105 |
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Summary: | 【目 的】 食道癌・肺癌患者の放射線食道炎の状況と対応を調査・比較し, 症状緩和のための看護介入法を検討する. 【対象と方法】 放射線治療を行った食道癌・肺癌患者を対象に, 治療前日から終了日までの症状出現時期, 嚥下スコア・嚥下障害のGradeの変化, 投薬状況の項目についてデータを診療録から収集した. 【結 果】 食道癌患者の半数以上が治療前から症状があった. 両疾患を比較して治療終了時のスコアの上昇は同程度であったが, 食道癌患者では早期にスコア・Gradeが上昇する傾向であった. 食道癌患者には症状自覚時期とほぼ同時期に粘膜保護剤の投与を開始していたが, 肺癌患者は投薬が遅い傾向であった. 両疾患共に粘膜保護剤の予防投与はなく, 約25%の患者が鎮痛剤を使用していた. 【結 語】 放射線治療を受ける患者のQOLの維持には, 十分な症状観察と早期対応が重要であり, 適切な看護介入のための前向き研究が必要であることが示唆された. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.60.105 |