原子力施設における防護服着用時熱中症リスク管理のための鼓膜温に基づく直腸温推定法

「I 緒論」消防庁の調べによれば, 東京電力福島第一原子力発電所における事故に起因する電力供給不足に伴う空調機器等の停止や使用控えにより, 5月30日~6月30日の間に熱中症により医療機関への搬送者数は全国で6,899人と昨年6月の実績 (2,276人) 比で約3倍にも達し, 今後もその増加が懸念されている. とりわけ, 福島第一原子力発電所において防護服を着用して懸命な事故の収束・復旧作業に携わる労働者の熱中症罹患者数は平成23年7月9日現在, 早くも28人にも達している. 原子力施設における熱中症による医療機関への搬送件数 (原子力施設情報公開ライブラリー等) は, 年平均4件程度であるの...

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Published in保健物理 Vol. 47; no. 1; pp. 54 - 65
Main Authors 若林, 斉, 栃原, 裕, 高橋, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健物理学会 2012
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ISSN0367-6110
1884-7560
DOI10.5453/jhps.47.54

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Summary:「I 緒論」消防庁の調べによれば, 東京電力福島第一原子力発電所における事故に起因する電力供給不足に伴う空調機器等の停止や使用控えにより, 5月30日~6月30日の間に熱中症により医療機関への搬送者数は全国で6,899人と昨年6月の実績 (2,276人) 比で約3倍にも達し, 今後もその増加が懸念されている. とりわけ, 福島第一原子力発電所において防護服を着用して懸命な事故の収束・復旧作業に携わる労働者の熱中症罹患者数は平成23年7月9日現在, 早くも28人にも達している. 原子力施設における熱中症による医療機関への搬送件数 (原子力施設情報公開ライブラリー等) は, 年平均4件程度であるのに対して, 福島第一原子力発電所だけで7月初旬において例年の7倍にも達しており, 一日も早い事故の収束・復旧のためにも, 作業環境の改善および作業員の的確な体調管理の徹底が望まれている.
ISSN:0367-6110
1884-7560
DOI:10.5453/jhps.47.54