低歯槽堤症に対する補綴前処置の経験

【背景・目的】 歯槽骨の吸収, 喪失は種々の原因によって生じ, 高度の場合には可轍式義歯の安定に大きく影響を生じる. またインプラント埋入は, 感染の問題から非可動性粘膜部に植立させる必要があるため, 歯槽骨高度吸収, あるいは歯槽骨欠損症例では可動性粘膜の位置を移動させる必要が生じる. そこで補綴前処置について検討を行った. 【対象と方法】 1998年3月から2002年10月の4年7ヶ月間に, 群馬大学歯科・歯科口腔外科を受診し, 各種原因により下顎歯槽骨が全顎的に高度に吸収, あるいは欠損した4症例に対し, 歯槽堤を相対的に高める歯槽堤形成術を行った. 【結果】 4症例ともに, 術後義歯装...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 55; no. 4; pp. 353 - 359
Main Authors 笹岡, 邦典, 清水, 岳志, 石原, 宏一, 神野, 恵治, 狩野, 証夫, 中曽根, 良樹, 根岸, 明秀, 星野, 慶子, 茂木, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2005
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.55.353

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Summary:【背景・目的】 歯槽骨の吸収, 喪失は種々の原因によって生じ, 高度の場合には可轍式義歯の安定に大きく影響を生じる. またインプラント埋入は, 感染の問題から非可動性粘膜部に植立させる必要があるため, 歯槽骨高度吸収, あるいは歯槽骨欠損症例では可動性粘膜の位置を移動させる必要が生じる. そこで補綴前処置について検討を行った. 【対象と方法】 1998年3月から2002年10月の4年7ヶ月間に, 群馬大学歯科・歯科口腔外科を受診し, 各種原因により下顎歯槽骨が全顎的に高度に吸収, あるいは欠損した4症例に対し, 歯槽堤を相対的に高める歯槽堤形成術を行った. 【結果】 4症例ともに, 術後義歯装着に必要な顎堤の深さが十分保たれた. オトガイ孔下方移動術を施行した1例は知覚麻痺が軽快した. 【結語】 補綴前処置として相対的歯槽堤形成術およびオトガイ孔下方移動術が有用であることが示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.55.353