大橋ら“喀血で発症した原発性気管支動脈蔓状血管腫の1例”

原発性気管支動脈蔓状血管腫は肺疾患を伴わずに気管支動脈が拡張・蛇行する疾患であり, 喀血の原因となる. 治療は肺切除と気管支動脈塞栓術が行われている. 気管支動脈塞栓術では本論文の症例のように再喀血も見られるため, 確実な止血を目的とするなら肺切除が良いとされている. この気管支動脈蔓状血管腫について, 気管支動脈造影によるシャントの有無というものが議論されることがある. 本例ではシャントは認めなかったと報告されており, 考察でも気管支動脈と肺動脈のシャントのある例で再喀血が多いと述べている. このシャントの有無という表現に, 以前より疑問を持っている....

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Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 43; no. 1; pp. 5 - 6
Main Author 佐野, 厚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.01.2021
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.43.1_5

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Summary:原発性気管支動脈蔓状血管腫は肺疾患を伴わずに気管支動脈が拡張・蛇行する疾患であり, 喀血の原因となる. 治療は肺切除と気管支動脈塞栓術が行われている. 気管支動脈塞栓術では本論文の症例のように再喀血も見られるため, 確実な止血を目的とするなら肺切除が良いとされている. この気管支動脈蔓状血管腫について, 気管支動脈造影によるシャントの有無というものが議論されることがある. 本例ではシャントは認めなかったと報告されており, 考察でも気管支動脈と肺動脈のシャントのある例で再喀血が多いと述べている. このシャントの有無という表現に, 以前より疑問を持っている.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.1_5