ミズナの貯蔵中における生菌数の変化および細菌叢の変遷

「緒言」 ミズナ(水菜; Brassica rapa subsp. nipposinica)は, アブラナ科アブラナ属に属する野菜である. 本種は, 9世紀より主に京都を中心として栽培が行われてきた京野菜であるが, 昭和後期での品種改良やサラダ等の洋菜への利用の拡大から全国的に栽培が増加し, 作付面積は2000年代に1,658ha(平成18年)から2,530ha(平成24年)へと急激に拡大した. また, 生産量の増加より平成22年からは「指定野菜に準ずる野菜」に選定されている. 伝統的にミズナの利用は鍋物や漬物が主であったが, 近年ではサラダ・惣菜や袋詰めカット野菜など, 最小限の加工で利用さ...

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Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 13 - 17
Main Authors 河原井, 武人, 清水, 真紀, 京井, 大輔, 石田, 万里子, 荻原, 博和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品微生物学会 31.03.2021
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ISSN1340-8267
1882-5982
DOI10.5803/jsfm.38.13

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Summary:「緒言」 ミズナ(水菜; Brassica rapa subsp. nipposinica)は, アブラナ科アブラナ属に属する野菜である. 本種は, 9世紀より主に京都を中心として栽培が行われてきた京野菜であるが, 昭和後期での品種改良やサラダ等の洋菜への利用の拡大から全国的に栽培が増加し, 作付面積は2000年代に1,658ha(平成18年)から2,530ha(平成24年)へと急激に拡大した. また, 生産量の増加より平成22年からは「指定野菜に準ずる野菜」に選定されている. 伝統的にミズナの利用は鍋物や漬物が主であったが, 近年ではサラダ・惣菜や袋詰めカット野菜など, 最小限の加工で利用されるケースが多い. このような利用では, 食品衛生学的な安全性を確保することは当然であるが, 品質を保持し, 鮮度保持期間を延長することも極めて重要である. 地方野菜であったミズナは, 急速に普及したため, 他の主要作物と比較して微生物学的な知見は少ない.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.38.13