術中神経モニタリングにおける検査技師から医師へのメッセージ

術中神経モニタリング (IONM) は, 術操作に起因する神経障害の可能性を早期に検出し, 術後の神経合併症の回避を目的に施行される。手術室という特殊環境下で実施するIONMには外科医, 麻酔科医, 看護師, 臨床検査技師, 臨床工学技士などがそれぞれ専門的な立場で関与している。さらにIONMで対象となる神経機能は術操作による影響のみならず, 複数因子の影響を受けることから, 導出波形は変化しやすく, その都度速やかな判断と臨機応変な対応が必要である。したがって, IONMの施行には手術に立ち会っている全職種によるチーム医療が必要不可欠といえる。本稿では検査技師の立場から, IONM遂行上の重...

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Published inJapanese Journal of Clinical Neurophysiology Vol. 51; no. 1; pp. 14 - 19
Main Author 浅黄, 優
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 01.02.2023
Japanese Society of Clinical Neurophysiology
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ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.51.14

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Summary:術中神経モニタリング (IONM) は, 術操作に起因する神経障害の可能性を早期に検出し, 術後の神経合併症の回避を目的に施行される。手術室という特殊環境下で実施するIONMには外科医, 麻酔科医, 看護師, 臨床検査技師, 臨床工学技士などがそれぞれ専門的な立場で関与している。さらにIONMで対象となる神経機能は術操作による影響のみならず, 複数因子の影響を受けることから, 導出波形は変化しやすく, その都度速やかな判断と臨機応変な対応が必要である。したがって, IONMの施行には手術に立ち会っている全職種によるチーム医療が必要不可欠といえる。本稿では検査技師の立場から, IONM遂行上の重視ポイントや波形変化時の対応手順, 加えてIONM導入時に技師に協力を求める際のコツについて記述した。IONMによって最大限の神経機能の温存を目指すため, より良いチームで業務を遂行できるよう, 今後も協力していきたい。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.51.14