新築大学校舎の室内空気質と利用者の体調との関連
「はじめに」新築の建物の内装材などから揮発する揮発性有機化合物(VOCs)によって体調不良を訴える健康障害が報告されている. シックビル症候群, いわゆるシックハウス症候群やシックスクール症候群が問題となっている(1-8). 様々な原因解明の研究が行われ, ホルムアルデヒド等の化学物質や湿度環境, 真菌やダニなどが原因物質として推定されてきた(1-5). しかし, 診断や機序について明らかにされていない部分も多い. ある大学において, 2007年3月にホールや講義室や研究室が入る新しい校舎(以下新館とする)が完成し, 2007年6月中旬より職員が順次使用を開始し, 2007年9月より学生が使用...
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Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 122 - 128 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本衛生学会
01.01.2011
日本衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-5082 1882-6482 |
DOI | 10.1265/jjh.66.122 |
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Summary: | 「はじめに」新築の建物の内装材などから揮発する揮発性有機化合物(VOCs)によって体調不良を訴える健康障害が報告されている. シックビル症候群, いわゆるシックハウス症候群やシックスクール症候群が問題となっている(1-8). 様々な原因解明の研究が行われ, ホルムアルデヒド等の化学物質や湿度環境, 真菌やダニなどが原因物質として推定されてきた(1-5). しかし, 診断や機序について明らかにされていない部分も多い. ある大学において, 2007年3月にホールや講義室や研究室が入る新しい校舎(以下新館とする)が完成し, 2007年6月中旬より職員が順次使用を開始し, 2007年9月より学生が使用を開始した. その直後より, 新館を利用する一部の学生や職員から体調不良や目のかゆみなどの訴えがあり, その後新館に入ると体調が悪くなり新館を利用できない学生も現れ, シックビル症候群が疑われた. 我々は体調不良の原因物質を明らかにするために, 2007年9月と2008年2月に新館内の講義室や自習室などの室内空気質測定を行った. |
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ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.66.122 |