壮年期健常女性における岩盤浴と温泉浴が脈波伝播速度に及ぼす影響

[I. はじめに] 岩盤浴は近年数多く温泉施設に設置されている. 岩盤浴は一般的に熱せられた岩の上で臥床することにより体を温める, サウナ形式の風呂の一種である. 効用としては, 岩から放射される遠赤外線による大量の発汗作用により, 新陳代謝が活発になるとされている. これを療養目的で用いた場合, 温熱療法の一種と考えられる. 入浴後は鼓膜温, 皮膚温の上昇とともに, 血流量が増加したとする報告があるが, 医学的なエビデンスはほとんど得られていない. 一方, 温泉浴の心身への影響は, 次の三つに分類されている. 一つは, 湯そのものがもつ物理作用(温熱, 清水圧, 浮力, 粘性など), もう一...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 69; no. 2; pp. 146 - 152
Main Authors 岡田, 佳奈子, 宮井, 那津季, 和泉, 有里奈, 井上, 雅, 坂口, 佳穂, 森岡, 郁晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2014
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.69.146

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Summary:[I. はじめに] 岩盤浴は近年数多く温泉施設に設置されている. 岩盤浴は一般的に熱せられた岩の上で臥床することにより体を温める, サウナ形式の風呂の一種である. 効用としては, 岩から放射される遠赤外線による大量の発汗作用により, 新陳代謝が活発になるとされている. これを療養目的で用いた場合, 温熱療法の一種と考えられる. 入浴後は鼓膜温, 皮膚温の上昇とともに, 血流量が増加したとする報告があるが, 医学的なエビデンスはほとんど得られていない. 一方, 温泉浴の心身への影響は, 次の三つに分類されている. 一つは, 湯そのものがもつ物理作用(温熱, 清水圧, 浮力, 粘性など), もう一つは, 湯に溶け込んでいる化学物質による作用, さらにもう一つは, 温泉地の環境などを含めた心理的作用である. 温泉療法については, 慢性心不全患者において物理作用が末梢血管反応を改善し血管抵抗を低下させることにより, 心負荷を軽減したとする報告があるが, 健常人を対象にした研究は少ない.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.69.146