運動後における高濃度人工炭酸泉下腿浴の身体冷却効果に関する研究

「1. 緒言」総務省消防庁によると日本における夏季の熱中症救急搬送者数は過去8年連続4万人を超えており, 深刻な問題となっている. 熱中症対策には様々あるが, 中でも身体の冷却は過度の体温上昇を防ぐために重要である. 身体冷却の方法に関して, 過去にいくつかの研究が行われている. 筒井ら (2005) は暑熱環境下での下肢運動を行う際の下肢冷却服の冷却効果を検討している. その効果が下肢を衣服で覆わない場合の放熱効果とほぼ同じであることから, 障害防止のためにズボンの着用が要求される作業において下肢冷却服を着用することは暑熱対策として有効であると報告している. Onitsuka et al....

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 24; no. 2; pp. 63 - 71
Main Authors 田中, 佑季, 田井村, 明博, 藤森, 加奈恵, 長野, 央歩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2019
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.24.2_63

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Summary:「1. 緒言」総務省消防庁によると日本における夏季の熱中症救急搬送者数は過去8年連続4万人を超えており, 深刻な問題となっている. 熱中症対策には様々あるが, 中でも身体の冷却は過度の体温上昇を防ぐために重要である. 身体冷却の方法に関して, 過去にいくつかの研究が行われている. 筒井ら (2005) は暑熱環境下での下肢運動を行う際の下肢冷却服の冷却効果を検討している. その効果が下肢を衣服で覆わない場合の放熱効果とほぼ同じであることから, 障害防止のためにズボンの着用が要求される作業において下肢冷却服を着用することは暑熱対策として有効であると報告している. Onitsuka et al. (2015) は, 温暖環境下における休息間のアイススラリー摂取が, その後の間欠的運動能力に及ぼす影響について検討しており, アイススラリー条件は後半の運動開始直後において最大パワーを低下させることなく直腸温を有意に低下させたことを報告している.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.24.2_63