ガス置換包装された食肉の保存性
食品のガス置換包装(Modified Atmosphere Packaging: 以下,「MAP」と略)は食品を包装するガスを二酸化炭素や窒素による不活性ガスや酸素などに置換して食品の変質を抑制し, 食品本来のもつ品質を保持するものである. 食品のMAPの歴史は古く, 欧米ではすでに1930年代に生肉に炭酸ガスを使用する研究が行われ, 現在は食肉, 食肉加工品, チーズ, 水産ねり製品, パン等, さまざまな流通食品がガス置換包装されている. MAPはEU諸国, 米国でも認められている. また, 各種食品の封入ガス組成を調整した製品では「封入ガス組成」と「シールの状態の確認」はHACCPの重要...
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Published in | 日本食品微生物学会雑誌 Vol. 36; no. 1; pp. 53 - 57 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本食品微生物学会
31.03.2019
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ISSN | 1340-8267 1882-5982 |
DOI | 10.5803/jsfm.36.53 |
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Summary: | 食品のガス置換包装(Modified Atmosphere Packaging: 以下,「MAP」と略)は食品を包装するガスを二酸化炭素や窒素による不活性ガスや酸素などに置換して食品の変質を抑制し, 食品本来のもつ品質を保持するものである. 食品のMAPの歴史は古く, 欧米ではすでに1930年代に生肉に炭酸ガスを使用する研究が行われ, 現在は食肉, 食肉加工品, チーズ, 水産ねり製品, パン等, さまざまな流通食品がガス置換包装されている. MAPはEU諸国, 米国でも認められている. また, 各種食品の封入ガス組成を調整した製品では「封入ガス組成」と「シールの状態の確認」はHACCPの重要管理点として設定したほうが良いとの論文も散見される. しかし, 我が国では「一酸化炭素を鮮魚に使用すると長時間, 鮮やかな色を呈し, 消費者が鮮度を誤認する恐れがある」として問題視されたことをきっかけとして, 平成3年6月21日付(衛乳第42号, 衛化第36号)および平成6年9月22日付(衛乳第141号, 衛化第89号)「鮮魚に対する食品添加物の使用について」により, 食品の変色防止等の目的では食品に一酸化炭素を使用することは食品衛生法第6条違反とすることが各自治体に通知された. |
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ISSN: | 1340-8267 1882-5982 |
DOI: | 10.5803/jsfm.36.53 |