女性の出産前後における体重変化と生活習慣の変化との関連
I 緒言 女性のライフサイクルの中に妊娠・出産・育児期がある. この時期は妊娠・出産に伴う身体的, 生理的変化が生じるとともに, 生活環境や生活習慣も大きく変化することが考えられる. 妊娠・出産を経験することは体重増加の一因といわれ(Rossner, 1992), この体重増加は妊娠する前の体重や妊娠中の過剰な体重増加がその要因とされている(Gore et al., 2003). 肥満が深刻な健康問題である欧米先進国では, 妊娠中の体重増加量(Althuizen et al., 2006)や出産後の体重コントロールを目的としたプログラム等が行われている(O'Toole et al.,...
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Published in | 民族衛生 Vol. 74; no. 1; pp. 3 - 12 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本民族衛生学会
01.01.2008
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Subjects | |
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ISSN | 0368-9395 1882-868X |
DOI | 10.3861/jshhe.74.3 |
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Summary: | I 緒言 女性のライフサイクルの中に妊娠・出産・育児期がある. この時期は妊娠・出産に伴う身体的, 生理的変化が生じるとともに, 生活環境や生活習慣も大きく変化することが考えられる. 妊娠・出産を経験することは体重増加の一因といわれ(Rossner, 1992), この体重増加は妊娠する前の体重や妊娠中の過剰な体重増加がその要因とされている(Gore et al., 2003). 肥満が深刻な健康問題である欧米先進国では, 妊娠中の体重増加量(Althuizen et al., 2006)や出産後の体重コントロールを目的としたプログラム等が行われている(O'Toole et al., 2003). これに対し, 妊娠・出産・育児にかかわる世代と考えられる20~40歳代の日本人女性ではBMI<18.5kg/m2の「やせ」の割合が増加していること(健康・栄養情報研究会, 2006), 非妊娠時に「やせ」であることや妊娠中の体重増加量が著しく少ないことが出生頻度に関わるといわれる低出生体重児の割合が増加傾向にあることなど(「健やか親子21」推進検討会, 2006), 他の先進国とは異なる健康問題が存在する. |
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ISSN: | 0368-9395 1882-868X |
DOI: | 10.3861/jshhe.74.3 |