鍼刺激が合宿期間中の唾液分泌型免疫グロブリンAに及ぼす影響

「I 緒言」スポーツ競技選手がコンディションを崩す要因の一つとして, 上気道感染症が挙げられる. 上気道感染症はスポーツ競技選手が訴える最も多い内科的症状であり1)2), トレーニングやパフォーマンスに悪影響を及ぼす3). Neimanらは疫学的な研究から, 強度の高い運動を行う者は運動が不足している者または適度に運動している者と比べ, 上気道感染症の罹患リスクが高いことを報告している4). またPedersenは, 長時間の激運動後には一時的な免疫抑制状態が到来するというオープンウィンドウ説を提唱している5). このオープンウィンドウの時期に病原微生物が生体に侵入すると, 容易に感染が成立す...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 73; no. 3; pp. 191 - 201
Main Authors 河野, 一郎, 宮本, 俊和, 松原, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2010
日本温泉気候物理医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki.73.191

Cover

More Information
Summary:「I 緒言」スポーツ競技選手がコンディションを崩す要因の一つとして, 上気道感染症が挙げられる. 上気道感染症はスポーツ競技選手が訴える最も多い内科的症状であり1)2), トレーニングやパフォーマンスに悪影響を及ぼす3). Neimanらは疫学的な研究から, 強度の高い運動を行う者は運動が不足している者または適度に運動している者と比べ, 上気道感染症の罹患リスクが高いことを報告している4). またPedersenは, 長時間の激運動後には一時的な免疫抑制状態が到来するというオープンウィンドウ説を提唱している5). このオープンウィンドウの時期に病原微生物が生体に侵入すると, 容易に感染が成立すると考えられている. このようにスポーツ選手において上気道感染症に対して易感染性が認められるのは, 日々のトレーニングによる身体的, 精神的ストレスや環境要因など様々ストレスを受けることによって, 免疫機能が低下する結果だと考えられている. 特にその発症に粘膜免疫の関与が指摘されている.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki.73.191