ラットin vivo肉離れ損傷モデルの作製とそれに及ぼす鍼通電刺激の効果について
「I はじめに」スポーツ動作で起こる筋損傷の代表例として, 筋に鈍的な直達外力が加わることにより受傷する打撲等の“筋挫傷”と, 疾走や跳躍などの動作中に自家筋力により受傷する, いわゆる“肉離れ”とがある. 肉離れは症候名であるため, 明確な定義はないが, 高沢1)は「直達外力による筋の打撲傷や筋挫傷とは異なる, ランニングやジャンプなどの動作で自家筋に強い張力が急激に働くことによって, 筋線維のごく一部, あるいは筋線維束間の組織が損傷された状態」と定義し, また奥脇2)は「自家筋力(拮抗筋の力)または介達外力によって, 抵抗下に筋が過伸展されて発症するもの」と定義している. スポーツ傷害に...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 73; no. 3; pp. 177 - 190 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
2010
日本温泉気候物理医学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki.73.177 |
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Summary: | 「I はじめに」スポーツ動作で起こる筋損傷の代表例として, 筋に鈍的な直達外力が加わることにより受傷する打撲等の“筋挫傷”と, 疾走や跳躍などの動作中に自家筋力により受傷する, いわゆる“肉離れ”とがある. 肉離れは症候名であるため, 明確な定義はないが, 高沢1)は「直達外力による筋の打撲傷や筋挫傷とは異なる, ランニングやジャンプなどの動作で自家筋に強い張力が急激に働くことによって, 筋線維のごく一部, あるいは筋線維束間の組織が損傷された状態」と定義し, また奥脇2)は「自家筋力(拮抗筋の力)または介達外力によって, 抵抗下に筋が過伸展されて発症するもの」と定義している. スポーツ傷害における肉離れの頻度は高く3), 肉離れによる痛みや機能障害によって生じるパフォーマンスの低下は, スポーツ選手にとって重要な問題であり, いかに早く競技に復帰するかが課題である. また, 再受傷をいかに予防するかも課題となっている. それらの課題を解決するために肉離れの基礎的研究が進められている. |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki.73.177 |