慢性仮性腸閉塞に合併したRhodococcus erythropolisによる敗血症性肺塞栓症の1例

中心静脈栄養に依存した慢性仮性腸閉塞患者(CIPO)において,カテーテル関連血流感染症(CRBSI)は重篤な合併症であるが,敗血症性肺塞栓症(SPE)の合併は非常に稀である.今回我々は環境常在菌であるRhodococcus erythropolisによるCRBSIにSPEを合併したCIPO症例を経験したので報告する.症例:CIPOの36歳女性.在宅中心静脈栄養施行中に1か月続く微熱に対し,精査されていたが原因不明であった.咳嗽あり,胸部CTにて両肺野の多発結節影が出現し,末梢血液培養にてRhodococcus erythropolisが検出された.CRBSIおよびSPEと診断し,抗菌剤治療を8...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 60; no. 1; pp. 68 - 72
Main Authors 神山, 雅史, 奥山, 宏臣, 上野, 豪久, 高山, 慶太, 宇賀, 菜緒子, 田附, 裕子, 野村, 元成, 正畠, 和典, 出口, 幸一, 渡邊, 美穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.02.2024
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.60.1_68

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Summary:中心静脈栄養に依存した慢性仮性腸閉塞患者(CIPO)において,カテーテル関連血流感染症(CRBSI)は重篤な合併症であるが,敗血症性肺塞栓症(SPE)の合併は非常に稀である.今回我々は環境常在菌であるRhodococcus erythropolisによるCRBSIにSPEを合併したCIPO症例を経験したので報告する.症例:CIPOの36歳女性.在宅中心静脈栄養施行中に1か月続く微熱に対し,精査されていたが原因不明であった.咳嗽あり,胸部CTにて両肺野の多発結節影が出現し,末梢血液培養にてRhodococcus erythropolisが検出された.CRBSIおよびSPEと診断し,抗菌剤治療を8週間施行し血液培養は陰性となったが,抗菌剤終了後に再度発熱と血液培養陽性となったためカテーテルの入れ替えを施行した.カテーテル入れ替え後,発熱は認めず胸部CTにて肺野結節の縮小傾向を認め退院となった.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.60.1_68