鍼施術が筋骨格系に痛みを訴える中高齢者の身体活動量に及ぼす影響
「I 緒言」鍼施術はわが国で最も古くから利用されている相補・代替医療の1つである. 現在の日本においては, 鍼施術を受療する年齢層としては60歳代を中心とした中高齢者が多いことが報告されており1)2), また, 鍼施術の受療目的としては, 慢性期の筋骨格系の障害の改善が最も多い1)2). ゆえに, 鍼施術は中高齢者の筋骨格系の症状の緩和などに広く利用されていることが推測される2)3). 腰痛や関節痛などの慢性的な筋骨格系の障害は, 特に中高齢者に多く認められ4), 平成16年度の厚生労働省による国民生活基礎調査におけるもっとも気になる自覚症状として, 中高齢者では腰痛と関節痛が上位を占めており...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 72; no. 2; pp. 131 - 140 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
2009
日本温泉気候物理医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki.72.131 |
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Summary: | 「I 緒言」鍼施術はわが国で最も古くから利用されている相補・代替医療の1つである. 現在の日本においては, 鍼施術を受療する年齢層としては60歳代を中心とした中高齢者が多いことが報告されており1)2), また, 鍼施術の受療目的としては, 慢性期の筋骨格系の障害の改善が最も多い1)2). ゆえに, 鍼施術は中高齢者の筋骨格系の症状の緩和などに広く利用されていることが推測される2)3). 腰痛や関節痛などの慢性的な筋骨格系の障害は, 特に中高齢者に多く認められ4), 平成16年度の厚生労働省による国民生活基礎調査におけるもっとも気になる自覚症状として, 中高齢者では腰痛と関節痛が上位を占めており, 年代が高くなるにつれて腰痛と関節痛を訴える者の割合は増大している. 筋骨格系の障害に伴う症状は, 中高齢者の主要な健康問題になっていることが推測される5). 慢性的な筋骨格系の障害では, 罹患部位への荷重や関節運動に伴ってしばしば疼痛が誘発される4). |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki.72.131 |