非線形時系列解析による回復期脳卒中患者の歩行評価
本研究の目的は,最速歩行時の3軸加速度よりリヤプノフ指数を求めて,ADL 尺度,脳血管疾患患者における歩行機能との関連を検討し,リヤプノフ指数の有用性を明らかにすることである。対象は,脳血管疾患患者24名(男性18名,女性6名,平均年齢70.0 ±11.8歳)とした。3軸加速度計は第3腰椎棘突起部付近に装着し,最速歩行時の3軸加速度を測定した。1歩行周期のデータからリヤプノフ指数を算出して,最速歩行速度,歩数,歩行率,Barthel Index との関係を検討した。満点群のリヤプノフ指数は,前後方向において有意に高値を示し,非満点群のリヤプノフ指数は,垂直方向において有意に高値を示した。また,...
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| Published in | ヘルスプロモーション理学療法研究 Vol. 5; no. 1; pp. 25 - 29 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
01.04.2015
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| Subjects | |
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| ISSN | 2186-3741 2187-3305 |
| DOI | 10.9759/hppt.5.25 |
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| Summary: | 本研究の目的は,最速歩行時の3軸加速度よりリヤプノフ指数を求めて,ADL 尺度,脳血管疾患患者における歩行機能との関連を検討し,リヤプノフ指数の有用性を明らかにすることである。対象は,脳血管疾患患者24名(男性18名,女性6名,平均年齢70.0 ±11.8歳)とした。3軸加速度計は第3腰椎棘突起部付近に装着し,最速歩行時の3軸加速度を測定した。1歩行周期のデータからリヤプノフ指数を算出して,最速歩行速度,歩数,歩行率,Barthel Index との関係を検討した。満点群のリヤプノフ指数は,前後方向において有意に高値を示し,非満点群のリヤプノフ指数は,垂直方向において有意に高値を示した。また,脳血管疾患患者の歩数と垂直方向が有意に相関した。これらの結果から,リヤプノフ指数を用いた歩行解析は,動揺性を測定できる方法のひとつであり,リヤプノフ指数は歩行安定性の定量化の指標として有効な手段となり得る可能性があることが示唆された。 |
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| ISSN: | 2186-3741 2187-3305 |
| DOI: | 10.9759/hppt.5.25 |