地域在住高齢女性における表情画像観察が脳神経活動に及ぼす影響
表情画像観察時の脳神経活動の変化は,対象者の精神心理状態を反映する指標となる可能性がある。本研究の目的は,地域在住高齢女性22名を対象として,乳幼児に対する心情の違いが,乳幼児の表情画像を観察時の脳神経活動に影響するのか検討することである。測定項目は,乳幼児に対する心情に関する質問紙,表情識別課題の正答率,表情画像を観察中の脳波とした。その結果,大半の対象者は乳幼児に対して好意的な心情を抱いており,すべての対象者は乳幼児の表情の違いを90% 以上の正答率で識別可能であった。 脳波解析の結果から,乳幼児に対する好意的な心情が高い群では,低い群に比べて,表情画像を観察時の楔前部のβ帯域神経活動値が...
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Published in | ヘルスプロモーション理学療法研究 Vol. 12; no. 2; pp. 75 - 79 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
26.10.2022
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Subjects | |
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ISSN | 2186-3741 2187-3305 |
DOI | 10.9759/hppt.12.75 |
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Summary: | 表情画像観察時の脳神経活動の変化は,対象者の精神心理状態を反映する指標となる可能性がある。本研究の目的は,地域在住高齢女性22名を対象として,乳幼児に対する心情の違いが,乳幼児の表情画像を観察時の脳神経活動に影響するのか検討することである。測定項目は,乳幼児に対する心情に関する質問紙,表情識別課題の正答率,表情画像を観察中の脳波とした。その結果,大半の対象者は乳幼児に対して好意的な心情を抱いており,すべての対象者は乳幼児の表情の違いを90% 以上の正答率で識別可能であった。 脳波解析の結果から,乳幼児に対する好意的な心情が高い群では,低い群に比べて,表情画像を観察時の楔前部のβ帯域神経活動値が有意に高かった(p<0.05)。以上から,地域在住高齢女性では,乳幼児の表情画像の観察時に,対象者の楔前部のβ帯域神経活動が高まり,その変化には対象者の乳幼児に対する心情が影響する可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 2186-3741 2187-3305 |
DOI: | 10.9759/hppt.12.75 |