髄膜炎様症状で発症した視神経脊髄炎関連疾患が疑われる1例

20歳女性.1週間前から頭痛,発熱,嘔気があり受診した.軽度の項部硬直以外に異常所見はなかった.単核球優位の髄液細胞増多を認め,髄膜炎疑いで入院した.入院3日目に過眠となり,MRIにて両側視床下部と橋内側,頸髄から胸髄髄内の広範な異常信号を認めた.視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)を疑い,ステロイドパルス療法を施行したところ解熱し,傾眠およびMRIの異常信号が消失した.視床下部病変を伴うNMOSDでは髄膜炎様症状で発症することがあるため,無菌性髄膜炎と考えられる患者でも,早期のMRI撮像が重要と考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 59; no. 11; pp. 736 - 739
Main Authors 飯尾, 滉太郎, 冨本, 秀和, 大達, 清美, 宇野, 研一郎, 川田, 憲一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2019
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001316

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Summary:20歳女性.1週間前から頭痛,発熱,嘔気があり受診した.軽度の項部硬直以外に異常所見はなかった.単核球優位の髄液細胞増多を認め,髄膜炎疑いで入院した.入院3日目に過眠となり,MRIにて両側視床下部と橋内側,頸髄から胸髄髄内の広範な異常信号を認めた.視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)を疑い,ステロイドパルス療法を施行したところ解熱し,傾眠およびMRIの異常信号が消失した.視床下部病変を伴うNMOSDでは髄膜炎様症状で発症することがあるため,無菌性髄膜炎と考えられる患者でも,早期のMRI撮像が重要と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001316