ギラン・バレー症候群による片側優位の横隔神経麻痺を経時的に評価できた1例

症例は50歳・女性.X年7月上旬に発熱と下痢を発症,1週間後に両下肢脱力感が出現した.四肢遠位筋優位の筋力低下,腱反射消失しており,ギラン・バレー症候群の疑いで入院となり,入院後に酸素化低下を呈した.胸部Xp検査で左横隔膜の挙上,神経伝導検査で横隔神経の複合運動活動電位の振幅の左右差や,超音波検査で左横隔膜の運動低下を指摘でき,左横隔神経麻痺と診断した.免疫治療後に,神経伝導検査で振幅の上昇と超音波検査で横隔膜運動の改善を確認し,呼吸障害も軽快した.本例では片側優位の横隔神経麻痺の経過を神経伝導検査と超音波検査で縦断的に評価した....

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Published in臨床神経学 Vol. 62; no. 10; pp. 805 - 809
Main Authors 井口, 直彦, 眞野, 智生, 七浦, 仁紀, 桐山, 敬生, 杉江, 和馬, 大橋, 智仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2022
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001765

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Summary:症例は50歳・女性.X年7月上旬に発熱と下痢を発症,1週間後に両下肢脱力感が出現した.四肢遠位筋優位の筋力低下,腱反射消失しており,ギラン・バレー症候群の疑いで入院となり,入院後に酸素化低下を呈した.胸部Xp検査で左横隔膜の挙上,神経伝導検査で横隔神経の複合運動活動電位の振幅の左右差や,超音波検査で左横隔膜の運動低下を指摘でき,左横隔神経麻痺と診断した.免疫治療後に,神経伝導検査で振幅の上昇と超音波検査で横隔膜運動の改善を確認し,呼吸障害も軽快した.本例では片側優位の横隔神経麻痺の経過を神経伝導検査と超音波検査で縦断的に評価した.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001765