中高年以降に自律神経障害を併発し,GAN新規変異を認めた巨大軸索ニューロパチーの1例
症例は69歳男性.5歳時より歩行困難を認め,13歳頃より杖歩行,17歳頃より車椅子生活となった.他院でシャルコー・マリー・トゥース病と診断されたが,遺伝子検査や神経生検は施行されなかった.54歳時当科初診.以降も四肢遠位筋の筋力低下や感覚障害が緩徐に進行し,60歳時の遺伝子検査でGAN新規変異(c.1478A>C, p.E493A)を認めた.臨床的には巨大軸索ニューロパチー(giant axonal neuropathy,以下GANと略記)の典型例とは異なり,知的能力は保たれ,縮れ毛はなく,61歳以降は声帯麻痺や自律神経障害を併発し,過去の報告よりGANの軽症例と診断した....
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| Published in | 臨床神経学 Vol. 63; no. 9; pp. 566 - 571 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本神経学会
2023
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001822 |
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| Summary: | 症例は69歳男性.5歳時より歩行困難を認め,13歳頃より杖歩行,17歳頃より車椅子生活となった.他院でシャルコー・マリー・トゥース病と診断されたが,遺伝子検査や神経生検は施行されなかった.54歳時当科初診.以降も四肢遠位筋の筋力低下や感覚障害が緩徐に進行し,60歳時の遺伝子検査でGAN新規変異(c.1478A>C, p.E493A)を認めた.臨床的には巨大軸索ニューロパチー(giant axonal neuropathy,以下GANと略記)の典型例とは異なり,知的能力は保たれ,縮れ毛はなく,61歳以降は声帯麻痺や自律神経障害を併発し,過去の報告よりGANの軽症例と診断した. |
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001822 |