非定型パーキンソニズムを呈する自己免疫性脳炎/傍腫瘍性神経症候群―スコーピングレビュー
近年,非定型パーキンソニズムを呈する自己免疫性脳炎/傍腫瘍性神経症候群が報告されている.しかしどのような抗神経抗体が関与するのか,またどのようなときにこれらの疾患を疑うべきかは不明である.この臨床疑問を解決するためにスコーピングレビューを行い,38論文を選定した.この結果,進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核症候群,多系統萎縮症のいずれにおいても未知の抗体を含む抗神経抗体が多数報告されていた.また若年発症,急性/亜急性の進行,腫瘍の合併,体重減少,脳脊髄液検査異常,典型的画像所見を認めないこと,非典型的な臨床徴候を認めることは自己免疫性脳炎/傍腫瘍性神経症候群の可能性を示唆すると考えられた....
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| Published in | 臨床神経学 Vol. 63; no. 8; pp. 497 - 504 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本神経学会
2023
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001871 |
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| Summary: | 近年,非定型パーキンソニズムを呈する自己免疫性脳炎/傍腫瘍性神経症候群が報告されている.しかしどのような抗神経抗体が関与するのか,またどのようなときにこれらの疾患を疑うべきかは不明である.この臨床疑問を解決するためにスコーピングレビューを行い,38論文を選定した.この結果,進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核症候群,多系統萎縮症のいずれにおいても未知の抗体を含む抗神経抗体が多数報告されていた.また若年発症,急性/亜急性の進行,腫瘍の合併,体重減少,脳脊髄液検査異常,典型的画像所見を認めないこと,非典型的な臨床徴候を認めることは自己免疫性脳炎/傍腫瘍性神経症候群の可能性を示唆すると考えられた. |
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001871 |