C-11 3-2C病棟開設以後の活動状況報告(第13回杏林医学会総会)
新興感染症やバイオテロの国際化に伴い, 1897年公布の伝染病予防法は1999年新たに感染症法としてあらためられ, さらに2003年のSARSの世界的流行によりこれが改正され, いわゆる新感染症法として公布された. このような社会的背景を基盤に, 本学付属病院においては2004年4月より1類, 2類感染症を除く感染性疾患の院内感染制御を主な目的として3-2C病棟が開設された. そこで, 本学医学会総会では, 本病棟の2004年4月開設から2004年10月末までの活動報告を行う. 本病棟は, 1次, 2次救急外来, 院内からの転棟, 一般外来からの経路を主に122名の入院症例を経験した. 疾患別...
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Published in | JOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 36; no. 1; p. 96 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
杏林医学会
2005
The Kyorin Medical Society |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0368-5829 1349-886X |
DOI | 10.11434/kyorinmed.36.96_1 |
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Summary: | 新興感染症やバイオテロの国際化に伴い, 1897年公布の伝染病予防法は1999年新たに感染症法としてあらためられ, さらに2003年のSARSの世界的流行によりこれが改正され, いわゆる新感染症法として公布された. このような社会的背景を基盤に, 本学付属病院においては2004年4月より1類, 2類感染症を除く感染性疾患の院内感染制御を主な目的として3-2C病棟が開設された. そこで, 本学医学会総会では, 本病棟の2004年4月開設から2004年10月末までの活動報告を行う. 本病棟は, 1次, 2次救急外来, 院内からの転棟, 一般外来からの経路を主に122名の入院症例を経験した. 疾患別では肺結核症(16%), 水痘(7%), 麻疹(3%)などの空気感染をきたす疾患, 胸部エックス線所見や臨床的背景から感染伝播性が高いと判断された肺炎(19%)などの飛沫感染, MRSA関連(6%)など接触感染をきたす疾患の隔離や, HIV感染(6%)などいわゆる逆隔離症例, これ以外にもbacterial translocationに伴う敗血症など一見すると隔離を必要としない症例も積極的に収容した. この結果, 本病棟の開設以来本学付属病院内では感染アウトブレイクや感染事故は発生はみられず, 院内の感染制御に貢献できたと考えている. 本病棟のこれまでの月ごとの平均在院日数は12.5-25.6日, これまでの平均は17.0日であった. 平均在院日数は急性期入院加算の算定項目として重要である他, 入退院の多いアクティブな病棟活動の指標としても意味を有する. 今後はさらなるアクティブな病棟活動を目標に「笑顔と挨拶」を軸としたチーム医療を構築し, 院内のみならず地域医療までも視野に含む感染制御に貢献したい. |
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ISSN: | 0368-5829 1349-886X |
DOI: | 10.11434/kyorinmed.36.96_1 |