12.外バイブレーション,HFJVを併用し気管支肺胞洗浄を施行した肺胞蛋白症の1例(第34回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)
【はじめに】 肺胞蛋白症は肺胞腔内, 終末細気管支内にサーファクタント由来物質が異常貯留を来す疾患の総称であり, 本邦での報告は数百例のみと稀な疾患である. 診断は画像, BAL所見, 病理診断に加え, 自己免疫性(特発性)肺胞蛋白症ではGM-CSF自己抗体陽性とされる. 全麻下での片肺の全肺胞洗浄, 気管支鏡面に気管支反復洗浄が標準療法とされており, 近年はGM-CSF吸入療法も施行されている. 今回, 我々は顕著な低酸素血症のため体外バイブレーション, HFJVを併用し気管支肺胞洗浄を施行した症例を経験したので報告する. 【症例】 58歳, 女性. 【現病歴】 2年前より労作後息切れ, 咳...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 5; p. 395 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.5_395_3 |
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Summary: | 【はじめに】 肺胞蛋白症は肺胞腔内, 終末細気管支内にサーファクタント由来物質が異常貯留を来す疾患の総称であり, 本邦での報告は数百例のみと稀な疾患である. 診断は画像, BAL所見, 病理診断に加え, 自己免疫性(特発性)肺胞蛋白症ではGM-CSF自己抗体陽性とされる. 全麻下での片肺の全肺胞洗浄, 気管支鏡面に気管支反復洗浄が標準療法とされており, 近年はGM-CSF吸入療法も施行されている. 今回, 我々は顕著な低酸素血症のため体外バイブレーション, HFJVを併用し気管支肺胞洗浄を施行した症例を経験したので報告する. 【症例】 58歳, 女性. 【現病歴】 2年前より労作後息切れ, 咳嗽を自覚. その後, 労作時呼吸困難出現のため精査目的に当院紹介となった. 胸部CT上, 両肺上葉・S6に網状影・スリガラス影が広がっており小葉間隔壁の肥厚もみられた. 血清・BALでの抗GM-CSF抗体濃度高値であり肺胞蛋白症の診断となり加療目的に当科に紹介された. 【経過】 全身麻酔下に左側気管支肺胞洗浄を施行した. 安静時SaO2:90%, 血液ガスpO2:54mmHgであり片側全肺洗浄は麻酔維持が困難と予想され体外バイブレーション, HFJVを併用し1回当たりの洗浄液量減少を図り, 全洗浄回数:24回, 全洗浄液量:900ml, 回収量:444ml(49.3%)であった. 低酸素血症のため洗浄後2日間の人工呼吸器管理を要したが抜管後は問題なく経過した. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.5_395_3 |