18.びまん性すりガラス状陰影の急性呼吸不全に対してBALで診断した肺胞出血の1例(第136回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は81歳男性. 温泉旅行後, 発熱, 呼吸困難で救急外来受診. 受診時O2 5lマスク下pCO2 31.0torr, pO2 69.8torr, SaO295%とI型急性呼吸不全を呈し, 胸部CTにてびまん性すりガラス陰影を認めた. BALを施行し, 回収液は赤色で, ヘモジデリン貧食マクロファージが確認され肺胞出血と診断した. BAL後呼吸状態悪化を認め, mPSL 1gパルス療法, および人工呼吸器管理を開始した. その後呼吸状態改善を認め, 第9病日に抜管, 後療法はPSL 60mgから開始し10mgにまで漸減することができた. 急性呼吸不全を呈するびまん性すりガラス陰影の診断に際し...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 3; p. 213 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.3_213_2 |
Cover
Summary: | 症例は81歳男性. 温泉旅行後, 発熱, 呼吸困難で救急外来受診. 受診時O2 5lマスク下pCO2 31.0torr, pO2 69.8torr, SaO295%とI型急性呼吸不全を呈し, 胸部CTにてびまん性すりガラス陰影を認めた. BALを施行し, 回収液は赤色で, ヘモジデリン貧食マクロファージが確認され肺胞出血と診断した. BAL後呼吸状態悪化を認め, mPSL 1gパルス療法, および人工呼吸器管理を開始した. その後呼吸状態改善を認め, 第9病日に抜管, 後療法はPSL 60mgから開始し10mgにまで漸減することができた. 急性呼吸不全を呈するびまん性すりガラス陰影の診断に際しては, 気管支鏡操作に伴う呼吸状態のさらなる悪化が懸念されるが, リスクが高く肺生検が困難と思われる症例においてもBALは比較的安全に施行可能であり多くの情報が得られるように思われる. 本症例の肺胞出血の原因についても文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.3_213_2 |