極細径気管支鏡 : 肺末梢病変に対して(第27回日本呼吸器内視鏡学会総会 : シンポジウム1-3)

肺癌患者数の増加, computed tomograpy(CT)の普及および肺癌検診への導入により, 肺末梢病変が多く発見されるようになった. 胸部X線単純写真では異常を認めず, CTでのみ病変を認める症例も増加している. しかし画像による肺癌診断は限界があり, 細胞組織診断が重要である. 肺末梢病変に対する診断方法の現状と問題点 本邦では肺末梢病変に対して, X線透視下気管支鏡検査が主に行われており, 末梢型肺癌診断における感度は40〜80%と報告されている. 1 検査には成人の場合, 通常は外径5〜6mm前後の気管支鏡が使用されてきた. 2 これら通常径気管支鏡の観察範囲は, 一般に亜区域...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 26; no. 8; pp. 694 - 696
Main Authors 佐藤, 寛之, 安部, 崇, 桐井, 宏和, 進藤, 丈, 松野, 祥彦, 佐野, 公泰, 堀場, 通明, 加藤, 達雄, 浅野, 文祐, 足達, 広和, 小牧, 千人, 安藤, 守秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2004
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.26.8_694

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Summary:肺癌患者数の増加, computed tomograpy(CT)の普及および肺癌検診への導入により, 肺末梢病変が多く発見されるようになった. 胸部X線単純写真では異常を認めず, CTでのみ病変を認める症例も増加している. しかし画像による肺癌診断は限界があり, 細胞組織診断が重要である. 肺末梢病変に対する診断方法の現状と問題点 本邦では肺末梢病変に対して, X線透視下気管支鏡検査が主に行われており, 末梢型肺癌診断における感度は40〜80%と報告されている. 1 検査には成人の場合, 通常は外径5〜6mm前後の気管支鏡が使用されてきた. 2 これら通常径気管支鏡の観察範囲は, 一般に亜区域(III次)から亜々区域(IV次)気管支程度である. 2 またS1+2, S1, S2, S6の肺尖側の病変は, 気管支鏡の先端アングル角度を最大にしても, 気管支鏡の挿入および生検器具の誘導が難しい. 3 一方, 生検器具の病変への到達は, X線透視下で判断されるので, 特に小型病変では不確実な場合がある. このため肺末梢小型病変に対する経気管支診断率は低く, 2cm以下の肺癌の場合, 陳ら3は65.6%, 遠藤ら4は76%, 森ら5は83.5%と述べている.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.26.8_694