17.呼吸不全を呈した肺サルコイドーシスの1例(第114回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は56歳女性. 2004年11月下腿の結節性紅斑を皮膚科で診断される. 2005年3月上旬より乾性咳嗽, 労作時呼吸困難を自覚して, 前医を受診胸部単純レントゲン, CTでは肺野にびまん性の粒状陰影を認め, TBLBで肉芽腫を認めた. 約1ヵ月の間に呼吸困難は増強し, 当院紹介受診時の室内気動脈血血液ガスはPO2 58.4torrと呼吸不全を呈していた. 当院でのBALではリンパ球増多, CD4/CD8は2.7と上昇. 前医での組織所見及びツベルクリン反応陰性などの所見からサルコイドーシスと診断した. 呼吸不全を伴ったため, ステロイド内服投与の適応と判断しPSL25mg(0.5mg/kg...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 1; p. 73
Main Authors 西平, 隆一, 田川, 暁大, 遠藤, 高広, 小倉, 高志, 剣持, 広知, 高橋, 宏, 篠原, 岳, 綿貫, 祐司, 小澤, 聡子, 小林, 慎一郎, 中村, 万里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.1_73_1

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Summary:症例は56歳女性. 2004年11月下腿の結節性紅斑を皮膚科で診断される. 2005年3月上旬より乾性咳嗽, 労作時呼吸困難を自覚して, 前医を受診胸部単純レントゲン, CTでは肺野にびまん性の粒状陰影を認め, TBLBで肉芽腫を認めた. 約1ヵ月の間に呼吸困難は増強し, 当院紹介受診時の室内気動脈血血液ガスはPO2 58.4torrと呼吸不全を呈していた. 当院でのBALではリンパ球増多, CD4/CD8は2.7と上昇. 前医での組織所見及びツベルクリン反応陰性などの所見からサルコイドーシスと診断した. 呼吸不全を伴ったため, ステロイド内服投与の適応と判断しPSL25mg(0.5mg/kg)の内服投与を開始とした. これにより画像上肺野病変は改善傾向を示し, 血液ガス上も酸素化の改善を得た. 急性呼吸不全を呈するサルコイドーシスは非常にまれであり報告した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.1_73_1