4.短期間に右全無気肺を繰り返し,切除した肺多形癌の1例(第136回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は62歳の男性. 血痰を自覚していたが約半年間放置した後, 近医を受診し, 胸部CT上, 右上葉の腫瘤性病変を指摘された. その後, 呼吸困難が出現し, 右全無気肺となった. 気道狭窄の治療目的に当院を紹介された. 呼吸困難著明で気管支鏡検査が困難と考え, 診断と治療を目的とした硬性鏡を施行した. 右主気管支が右上葉支から突出する腫瘍により閉塞されていたため, 腫瘍切除・気道開大術を行い, 中間気管支幹の開口を得た. 術後12日に再び腫瘍の増殖により, 右全無気肺となった. 再度気道開大術を行ったが, 内視鏡治療の限界と考え, 外科的切除の方針とした. 右上中葉切除術を施行し, 病理診断に...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 3; p. 210
Main Authors 長瀬, 清亮, 野村, 将春, 大谷, 圭志, 萩原, 優, 佐治, 久, 荒牧, 直, 大平, 達夫, 垣花, 昌俊, 臼田, 実男, 梶原, 直央, 池田, 徳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.33.3_210_4

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Summary:症例は62歳の男性. 血痰を自覚していたが約半年間放置した後, 近医を受診し, 胸部CT上, 右上葉の腫瘤性病変を指摘された. その後, 呼吸困難が出現し, 右全無気肺となった. 気道狭窄の治療目的に当院を紹介された. 呼吸困難著明で気管支鏡検査が困難と考え, 診断と治療を目的とした硬性鏡を施行した. 右主気管支が右上葉支から突出する腫瘍により閉塞されていたため, 腫瘍切除・気道開大術を行い, 中間気管支幹の開口を得た. 術後12日に再び腫瘍の増殖により, 右全無気肺となった. 再度気道開大術を行ったが, 内視鏡治療の限界と考え, 外科的切除の方針とした. 右上中葉切除術を施行し, 病理診断にて腫瘍は右上葉原発の多形癌T3N2M0 stage IIIAと診断された. 根治切除には至らなかったが, 腫瘍による気道閉塞を回避し得た1症例を経験した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.3_210_4