3.食道癌バイパス術後に左主気管支を完全閉塞するポリープ状病変を認めた1例(一般演題,第14回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は64歳男性. 進行食道癌に対し頸部食道胃管バイパス術及び術後化学療法を施行, 経過中に呼吸困難を主訴に緊急入院となった. 全身チアノーゼを認め右下側臥位でのみ呼吸状態が維持可能であった. 気管支鏡検査を施行, 左主気管支を完全閉塞する表面平滑なポリープ状病変を認めた. 全身麻酔下に内視鏡的レーザー焼灼術を開始したが内部より粘液状物質の流出を認め, 引き続きcovered SEMS(self expandable metallic stent)を挿入した. 狭窄部位は速やかに拡張し呼吸状態は著明に改善した. ポリープ状病変は病理学的に悪性所見を認めなかった. 本症例では閉鎖腔となった遺残食...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 4; p. 316
Main Authors 笹栗, 志朗, 篠川, 美希, 中谷, 貴美子, 溝渕, 俊二, 穴山, 貴嗣, 松本, 学, 久米, 基彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.4_316_3

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Summary:症例は64歳男性. 進行食道癌に対し頸部食道胃管バイパス術及び術後化学療法を施行, 経過中に呼吸困難を主訴に緊急入院となった. 全身チアノーゼを認め右下側臥位でのみ呼吸状態が維持可能であった. 気管支鏡検査を施行, 左主気管支を完全閉塞する表面平滑なポリープ状病変を認めた. 全身麻酔下に内視鏡的レーザー焼灼術を開始したが内部より粘液状物質の流出を認め, 引き続きcovered SEMS(self expandable metallic stent)を挿入した. 狭窄部位は速やかに拡張し呼吸状態は著明に改善した. ポリープ状病変は病理学的に悪性所見を認めなかった. 本症例では閉鎖腔となった遺残食道内圧が上昇し, 左主気管支内腔にポリープ状病変として膨隆, 気管支内腔を完全閉塞した稀有な病態が推測された. 当院での気道内SEMS挿入症例の検討を加えて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.4_316_3