8.再発性多発軟骨炎の診断・経過観察に気管支鏡検査が有用であった1例(第89回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)
69歳の男性. 当科にて咳喘息で, 2年間外来通院していた. 経過中, 適切な咳喘息の治療を行っているにも関わらず, 咳嗽が増強し, 炎症反応も高値をみとめたため, 精査加療目的で入院となった. 精査の結果, ガリウムシンチグラフィでは気道のみに高集積をみとめ, 胸部造影CTで気管~気管支の浮腫像が明らかとなった. 気管支鏡検査において, 膜様部の発赤をみとめており, 気管軟骨炎と考えた. 強膜炎の既往があり. Damianiの診断基準にて, 再発性多発軟骨炎と診断し, 高用量ステロイドの内服で, 画像, 内視鏡所見に著明な改善をみとめた. 再発性多発軟骨炎の診断において生検は必須ではないが,...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 5; p. 383 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.5_383_3 |
Cover
Summary: | 69歳の男性. 当科にて咳喘息で, 2年間外来通院していた. 経過中, 適切な咳喘息の治療を行っているにも関わらず, 咳嗽が増強し, 炎症反応も高値をみとめたため, 精査加療目的で入院となった. 精査の結果, ガリウムシンチグラフィでは気道のみに高集積をみとめ, 胸部造影CTで気管~気管支の浮腫像が明らかとなった. 気管支鏡検査において, 膜様部の発赤をみとめており, 気管軟骨炎と考えた. 強膜炎の既往があり. Damianiの診断基準にて, 再発性多発軟骨炎と診断し, 高用量ステロイドの内服で, 画像, 内視鏡所見に著明な改善をみとめた. 再発性多発軟骨炎の診断において生検は必須ではないが, 臨床診断には数か所の軟骨炎の存在が必要となる. 軟骨炎の証明のための気管生検は全身麻酔下で行い, 侵襲も大きい. 本例においては気管支鏡検査所見が気管軟骨炎の存在の重要な傍証となり, また経過観察にも有用であったため報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.5_383_3 |