6.気管・気管支ステント留置後早期の不具合例の検討(第80回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

我々は悪性疾患による気道狭窄に対し, 気管・気管支ステント留置を行っている. 呼吸状態改善しQOLが向上する例もあるが, 逆に留置後早期に不幸な転機をとる症例もある. ここ1年間で, ステント留置を行った6例のうち, 期待されたQOL改善などが得られなかった3症例を検討し, ステント留置の適応について考察した. 【症例1】70歳男性で右主気管支狭窄に対しステント留置したが, 早期に誤嚥性肺炎をおこし死亡. 【症例2】55歳男性で左主気管支狭窄に対しステントを留置, 半月後に小腸転移の穿孔をおこし死亡. 【症例3】75歳男性で左主気管支狭窄に対しステント留置. 食道狭窄あり, 食道ステントも留置...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 1; pp. 62 - 63
Main Authors 佐藤, 澄, 祢里, 真也, 宮原, 亮, 坂口, 泰人, 平田, 敏樹, 園部, 誠, 阪井, 宏彰, 和田, 洋巳, 近藤, 展行, 藤永, 卓司, 庄司, 剛, 板東, 徹, 大久保, 憲一, 木曾, 末厘乃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.1_62_6

Cover

More Information
Summary:我々は悪性疾患による気道狭窄に対し, 気管・気管支ステント留置を行っている. 呼吸状態改善しQOLが向上する例もあるが, 逆に留置後早期に不幸な転機をとる症例もある. ここ1年間で, ステント留置を行った6例のうち, 期待されたQOL改善などが得られなかった3症例を検討し, ステント留置の適応について考察した. 【症例1】70歳男性で右主気管支狭窄に対しステント留置したが, 早期に誤嚥性肺炎をおこし死亡. 【症例2】55歳男性で左主気管支狭窄に対しステントを留置, 半月後に小腸転移の穿孔をおこし死亡. 【症例3】75歳男性で左主気管支狭窄に対しステント留置. 食道狭窄あり, 食道ステントも留置. 早期に食道気管支度を合併, 絶飲食管理となる. 気道狭窄の改善で, ある程度の予後が期待できることがステント留置の前提条件であり, 気道狭窄以外の病変の評価が適応決定の重要な因子だと考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.1_62_6