11.緊急手術を施行した気管腕頭動脈瘻の2例(第89回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)
【はじめに】 今回我々は, 気管腕頭動脈瘻(以下TIF)に対し緊急手術を行った2例を経験したので報告する. 【症例1】 先天性筋強直性ジストロフィーの20歳代女性. 繰り返す肺炎のため人工呼吸器管理を行われていたが, 気管狭窄による人工呼吸器離脱困難のため転院となった. 気管切開しアジャストフィット(R)で気道確保を行ったがその約1ヵ月後に大量出血を認めた. 造影CTよりTIFと診断し, 緊急手術を行い救命した. 【症例2】 10歳代男性. 溺水後遺症による脳性麻痺に対し10年前より気管切開下に呼吸管理されていた. 気管カニューレ挿入中に突然の大量出血を認め, 臨床所見よりTIFと判断され当院...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 5; p. 384 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.5_384_1 |
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Summary: | 【はじめに】 今回我々は, 気管腕頭動脈瘻(以下TIF)に対し緊急手術を行った2例を経験したので報告する. 【症例1】 先天性筋強直性ジストロフィーの20歳代女性. 繰り返す肺炎のため人工呼吸器管理を行われていたが, 気管狭窄による人工呼吸器離脱困難のため転院となった. 気管切開しアジャストフィット(R)で気道確保を行ったがその約1ヵ月後に大量出血を認めた. 造影CTよりTIFと診断し, 緊急手術を行い救命した. 【症例2】 10歳代男性. 溺水後遺症による脳性麻痺に対し10年前より気管切開下に呼吸管理されていた. 気管カニューレ挿入中に突然の大量出血を認め, 臨床所見よりTIFと判断され当院へ救急搬送となった. 心肺停止状態で転入され, 蘇生後緊急手術を行ったが救命できなかった. 【考察】 TIFは発症すると救命率が低く, その予防や発症後の処置について留意する必要があると思われる. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.5_384_1 |