28.肺癌との鑑別が困難であった異物肉芽腫の1例(第136回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は61歳男性, 某年2月脳梗塞を発症, 当センター神経内科にて加療後リハビリテーション目的に転院となったが, 転院時の胸部X線, 胸部CTにて左下葉の腫瘤影を指摘され, 精査加療目的に当科入院となった. 入院時, 血液検査ではワーファリン内服によるPTの延長を認めたが, 腫瘍マーカーを含め特記すべき所見はなかった. 胸部X線, 胸部CTにて左S 9に辺縁不整, 内部不均一の直径4cmの腫瘤を認め, PETでは同部にSUVmax7.40の集積を認めた. 悪性腫瘍を疑い経気管支肺生検を施行. 病理ではHE染色で染色されずEVG染色にて薄桃色に染色される無構造物を認め, その周囲にこれらを貧食す...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 3; p. 215 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.33.3_215_1 |
Cover
Summary: | 症例は61歳男性, 某年2月脳梗塞を発症, 当センター神経内科にて加療後リハビリテーション目的に転院となったが, 転院時の胸部X線, 胸部CTにて左下葉の腫瘤影を指摘され, 精査加療目的に当科入院となった. 入院時, 血液検査ではワーファリン内服によるPTの延長を認めたが, 腫瘍マーカーを含め特記すべき所見はなかった. 胸部X線, 胸部CTにて左S 9に辺縁不整, 内部不均一の直径4cmの腫瘤を認め, PETでは同部にSUVmax7.40の集積を認めた. 悪性腫瘍を疑い経気管支肺生検を施行. 病理ではHE染色で染色されずEVG染色にて薄桃色に染色される無構造物を認め, その周囲にこれらを貧食する多核巨細胞と組織球, リンパ球の密な集簇による肉芽腫の形成を認め, 異物肉芽腫foreign body granulomatosisの診断となった. 無治療にて腫瘤は縮小し, 3カ月後の胸部CTでは瘢痕を残すのみとなった. 頻度は低いが悪性腫瘍との鑑別を要する疾患であると考えられたため, 文献的考察も加え報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.3_215_1 |