21.ゲフィチニブによる肺胞出血の1例(第32回日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)

ゲフィチニブ投与中に肺胞出血を来した1例を経験したので報告する. 症例は74歳女性. 原発性肺癌(腺癌cT4N0M0 stage IIIB)と診断され, 2007年3月中旬より化学療法(CBDCA+PAC)を2コース施行後, 外来経過観察中であった. 病状の進行のため, 2009年1月中旬よりゲフィチニブ投与開始. 副作用の下痢を認めたため, 1月下旬より隔日投与へ変更. その後血痰の出現が認められ2月中旬に最終服薬後, 投薬を中止したが血痰は続いていた. 4日後, 外来受診時の胸部X線, CTで両側下葉を中心にすりガラス影が出現. 発熱を認めず, 低酸素血症の進行やLDH, CRPの上昇も認...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 5; pp. 351 - 352
Main Authors 河野, 裕子, 迫田, 頼武, 水田, 佑一, 北里, 裕彦, 伊勢, 信治, 川崎, 雅之, 高田, 昇平, 田尾, 義昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.31.5_351_5

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Summary:ゲフィチニブ投与中に肺胞出血を来した1例を経験したので報告する. 症例は74歳女性. 原発性肺癌(腺癌cT4N0M0 stage IIIB)と診断され, 2007年3月中旬より化学療法(CBDCA+PAC)を2コース施行後, 外来経過観察中であった. 病状の進行のため, 2009年1月中旬よりゲフィチニブ投与開始. 副作用の下痢を認めたため, 1月下旬より隔日投与へ変更. その後血痰の出現が認められ2月中旬に最終服薬後, 投薬を中止したが血痰は続いていた. 4日後, 外来受診時の胸部X線, CTで両側下葉を中心にすりガラス影が出現. 発熱を認めず, 低酸素血症の進行やLDH, CRPの上昇も認められず, ゲフィチニブによる間質性肺炎は考えにくかった. 気管支鏡検査を施行し, 右下葉よりBALにて血性回収液が得られ, 肺胞出血と診断した. ゲフィチニブ投与中止のみで血痰, すりガラス影の改善を認めた. ゲフィチニブ投与による肺胞出血は, これまでに数例報告されている. ゲフィチニブ投与中にすりガラス影を認めた場合, 間質性肺炎の他に, 肺胞出血も考慮するべきであると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.5_351_5