29.右胸腔内を移動する結節影として認められた右胸腔内結石の1例(第30回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は72歳男性. 2004年肺癌検診の胸部X線で右中肺野外側に約1cmの結節影を指摘され, 精査目的に当院内科を受診した. 胸部CT上右major fissure外側に接して右中葉S4~右下葉S6間に約1cm程の結節影を認めた. 周囲との境界は明瞭, 辺縁は平滑で, 良性と考え経過観察されていた. 2005年の胸部X線では右中肺野の結節影は消失し, 新たに右下葉に約1cmの同様な結節影を認めた. 胸部CTでも右中葉S4~下葉S6に認められた結節影は消失し, 新たに右中葉S4~下葉S8間に約1cmの結節影が出現し, 葉間を移動したものと考えられた. 2006年の胸部X線では結節影は再度右中肺野...
Saved in:
Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 6; p. 375 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.29.6_375_2 |
Cover
Summary: | 症例は72歳男性. 2004年肺癌検診の胸部X線で右中肺野外側に約1cmの結節影を指摘され, 精査目的に当院内科を受診した. 胸部CT上右major fissure外側に接して右中葉S4~右下葉S6間に約1cm程の結節影を認めた. 周囲との境界は明瞭, 辺縁は平滑で, 良性と考え経過観察されていた. 2005年の胸部X線では右中肺野の結節影は消失し, 新たに右下葉に約1cmの同様な結節影を認めた. 胸部CTでも右中葉S4~下葉S6に認められた結節影は消失し, 新たに右中葉S4~下葉S8間に約1cmの結節影が出現し, 葉間を移動したものと考えられた. 2006年の胸部X線では結節影は再度右中肺野外側に移動しており, 胸部CTでは, 大きさが1.5cmとやや増大していた. 経過観察中に大きさが増大してきたため, 診断と治療を目的に2007年に右胸腔鏡下腫瘤摘出術を施行した. 術中所見では, 上・中・下葉間に乳白色卵状, 表面平滑な13x11mm大で弾性硬, 平滑な結節を認めた. 周囲との癒着はなく, 容易に摘出可能であった. 病理学的には中心部に炭粉沈着を伴い, 同心円状に硝子化した膠原線維からなる結節であった. 胸腔内結石は非常に稀な疾患とされており, 調べた限りでは本邦での報告は20例のみである. 若干の文献的考察を加えて報告する. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.6_375_2 |