1.外傷性左主気管支断裂の治療経験(第74回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

症例は28歳女性. 交通外傷にて当院救急搬入され, 肋骨骨折, 左血気胸と診断し胸腔ドレナージを施行, 血性胸水600ml認め呼吸状態は改善した. 左下葉無気肺の改善がないため気管支損傷の可能性を考慮した. 第4病日気管支鏡検査で左主気管支の内腔が狭窄し, 3DCTで左主気管支が同部で途絶しており, 気管支断裂と診断し第10病日左肺を温存した気管支管状切除端々吻合を行った. 左主気管支は1. 5cmの長さにわたって挫滅し, 膜様部に3mm大の欠損孔があり心膜に被覆されていた. 術後肺の再膨張は良好であったが, 術後2日目に再び左無気肺となり気管支鏡では吻合部が再狭窄していたため, 左主気管支か...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 26; no. 1; p. 95
Main Authors 村上, 真里, 高橋, 鮎子, 中山, 英, 大迫, 努
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2004
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.26.1_95_1

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Summary:症例は28歳女性. 交通外傷にて当院救急搬入され, 肋骨骨折, 左血気胸と診断し胸腔ドレナージを施行, 血性胸水600ml認め呼吸状態は改善した. 左下葉無気肺の改善がないため気管支損傷の可能性を考慮した. 第4病日気管支鏡検査で左主気管支の内腔が狭窄し, 3DCTで左主気管支が同部で途絶しており, 気管支断裂と診断し第10病日左肺を温存した気管支管状切除端々吻合を行った. 左主気管支は1. 5cmの長さにわたって挫滅し, 膜様部に3mm大の欠損孔があり心膜に被覆されていた. 術後肺の再膨張は良好であったが, 術後2日目に再び左無気肺となり気管支鏡では吻合部が再狭窄していたため, 左主気管支から上葉分枝部を越えてZステントを留置した. その後無気肺は改善, 術後12日目軽快退院となった. 良性疾患に対する気管支ステント留置は稀でありステントの耐久性が今後の課題となると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.26.1_95_1