2.気管支動脈塞栓術にて消退した気管支動脈蔓状血管腫の1例(第33回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会)

症例は78歳, 男性. 2006年3月, 鼻出血が出現し, 耳鼻科を受診. 耳鼻科的に出血部位が明らかでなく, 精査目的で入院. 胸部X線写真では異常陰影を指摘できなかったが, 胸部CTで右B3bに区域性に拡がる肺野濃度のわずかな上昇を認めた. 緊急気管支鏡を施行し, 右B3からの出血が疑われたが, 明らかな出血部位を特定できなかった. その後, 血痰は安静と止血剤点滴にて徐々に軽快し, 1週後に気管支鏡を再検した. 右B3biに正常粘膜に覆われた拍動性結節状隆起を認めたため, 血管性病変を疑って気管支動脈造影を施行. 病変部位に一致して右気管支動脈上葉枝に数珠状拡張と, 末梢動脈に軽度の拡張...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 5; p. 314
Main Authors 横山, 多佳子, 石原, 明典, 加藤, 高志, 宇佐美, 郁治, 加藤, 研, 高桑, 修, 吉田, 達哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.5_314_2

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Summary:症例は78歳, 男性. 2006年3月, 鼻出血が出現し, 耳鼻科を受診. 耳鼻科的に出血部位が明らかでなく, 精査目的で入院. 胸部X線写真では異常陰影を指摘できなかったが, 胸部CTで右B3bに区域性に拡がる肺野濃度のわずかな上昇を認めた. 緊急気管支鏡を施行し, 右B3からの出血が疑われたが, 明らかな出血部位を特定できなかった. その後, 血痰は安静と止血剤点滴にて徐々に軽快し, 1週後に気管支鏡を再検した. 右B3biに正常粘膜に覆われた拍動性結節状隆起を認めたため, 血管性病変を疑って気管支動脈造影を施行. 病変部位に一致して右気管支動脈上葉枝に数珠状拡張と, 末梢動脈に軽度の拡張と蛇行を認め, 気管支動脈蔓状血管腫と診断した. 同部位にゼラチンスポンジにて気管支動脈塞栓術を施行し, その後の気管支鏡にて拍動性隆起の消退を確認した. これまでの1年の経過で再発を認めていない. 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.5_314_2