11.気管支異物の1例(第28回 日本呼吸器内視鏡学会北海道支部会)
症例は57歳, 女性. 主訴は咳嗽, 喀痰. 精神遅滞, 心因反応にて精神神経科, 高血圧にて当科通院中であった. 2006年1月頃より咳嗽, 喀痰が出現, 2月上旬当科受診, 炎症反応陽性, 胸部X線, CTにて右下葉に浸潤影を認め, 肺炎とみなし, 2日後入院となった. 入院時の血液検査では白血球11800/μl, CRP13.4m/dlと炎症反応の高値を認めた. CZOP1.0g, MIN0200mgを投与するも, 著効なく, MEPM1.0g, CLDM1200mgに変更し, 炎症反応は低下した. 右下葉の浸潤影が残存するため, 気管支鏡検査を行った. 右B8,9,0入口部は炎症性ポリ...
Saved in:
| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 1; p. 60 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.29.1_60_3 |
Cover
| Summary: | 症例は57歳, 女性. 主訴は咳嗽, 喀痰. 精神遅滞, 心因反応にて精神神経科, 高血圧にて当科通院中であった. 2006年1月頃より咳嗽, 喀痰が出現, 2月上旬当科受診, 炎症反応陽性, 胸部X線, CTにて右下葉に浸潤影を認め, 肺炎とみなし, 2日後入院となった. 入院時の血液検査では白血球11800/μl, CRP13.4m/dlと炎症反応の高値を認めた. CZOP1.0g, MIN0200mgを投与するも, 著効なく, MEPM1.0g, CLDM1200mgに変更し, 炎症反応は低下した. 右下葉の浸潤影が残存するため, 気管支鏡検査を行った. 右B8,9,0入口部は炎症性ポリープにて閉塞し, 末梢までの観察は不可能だった. 同部位の擦過細胞診と生検にて炎症性肉芽組織と食物繊維を認めた. 本人に確認しても, 誤嚥のエピソードははっきりしなかったが, 気管支異物とみなし, 再度気管支鏡検査を行った. 異物鉗子やバスケットカテーテル, キュレットを使い, 異物を除去し, 右B8,9入口部の開口を認めた. 症状の軽快, 陰影の縮小を認めたため, 退院, 外来フォローとした. その後の胸部X線では右下肺野に線上影を残すのみまで改善した. 3か月後の気管支鏡検査では右B8,9,10は気管支粘膜に瘢痕を残すのみで, 末梢まで開回していた. 閉塞性肺炎を疑わせる陰影は, 気管支の良性, 悪性腫瘍以外に, 気管支異物も念頭において, 検査をすることが重要と思われた. |
|---|---|
| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.29.1_60_3 |