33.甲状腺癌による高度な気管狭窄に対してニチステントを留置し,窒息を回避できた1例(第119回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
現在使用されている金属ステントの欠点を補った新しいハイブリッドステントには, 抜去可能なフルカバーのシルメットステント(Silmet stent)やニチステント(Niti stent)などがある. 今回我々は甲状腺癌による高度な気管狭窄に対しニテステント留置し, 窒息を回避できた1例を経験したので報告する. 症例は73歳の女性. 2006年4月頃から安静時, 労作時の呼吸困難を自覚. 7月中旬に何回か窒息しかけたため当院紹介され受診. 胸部CTで左甲状腺から連続する腫瘍により気管が圧排性に狭窄しており, 緊急的にニチステント(Φ16×60mm)を留置した. 術後, 呼吸困難は消失した. 悪性腫...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 1; pp. 72 - 73 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.29.1_72_5 |
Cover
Summary: | 現在使用されている金属ステントの欠点を補った新しいハイブリッドステントには, 抜去可能なフルカバーのシルメットステント(Silmet stent)やニチステント(Niti stent)などがある. 今回我々は甲状腺癌による高度な気管狭窄に対しニテステント留置し, 窒息を回避できた1例を経験したので報告する. 症例は73歳の女性. 2006年4月頃から安静時, 労作時の呼吸困難を自覚. 7月中旬に何回か窒息しかけたため当院紹介され受診. 胸部CTで左甲状腺から連続する腫瘍により気管が圧排性に狭窄しており, 緊急的にニチステント(Φ16×60mm)を留置した. 術後, 呼吸困難は消失した. 悪性腫瘍による高度気管狭窄症例は時に窒息を回避するため迅速かつ的確な対応が要求されることがある. 気道ステント留置は治療直後から症状の劇的な改善が得られるため, 呼吸困難を伴う悪性腫瘍による高度気管狭窄症例に対し有用な治療法である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.1_72_5 |