4.ガイドワイヤー下に,EWSを挿入し改善をみた難治性気胸の1例(第19回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は67歳男性. 2010年X月に起床し, 庭木の水やりの最中に突然, 胸痛, 呼吸苦を感じ, 救急車で受診. 胸部X線で, 右気胸の診断で入院となった. 診断後, 胸腔ドレナージを側胸部から挿入したが, 拡張不良であり, 鎖骨中線から2本目のドレナージを行った. しかし, 拡張不良であった. 肺気腫が著明で, 呼吸機能が悪いと判断し, EWS治療を選択した. CT画像から, 上葉か中葉が責任病巣と考え, リークテストを右B 3で行い, リークが減弱したようにみえたため, EWSを挿入したが, 虚脱の改善はなかった. 再度, 右中葉が責任気管支と考え, 右B 4, 5に対してEWSを行ったが...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 3; pp. 195 - 196
Main Authors 渡辺, 一彦, 川井, 治之, 六車, 満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.33.3_195_4

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Summary:症例は67歳男性. 2010年X月に起床し, 庭木の水やりの最中に突然, 胸痛, 呼吸苦を感じ, 救急車で受診. 胸部X線で, 右気胸の診断で入院となった. 診断後, 胸腔ドレナージを側胸部から挿入したが, 拡張不良であり, 鎖骨中線から2本目のドレナージを行った. しかし, 拡張不良であった. 肺気腫が著明で, 呼吸機能が悪いと判断し, EWS治療を選択した. CT画像から, 上葉か中葉が責任病巣と考え, リークテストを右B 3で行い, リークが減弱したようにみえたため, EWSを挿入したが, 虚脱の改善はなかった. 再度, 右中葉が責任気管支と考え, 右B 4, 5に対してEWSを行ったが, 目的気管支に留置できなかった. そこで, 透視下にラージフォーカス計0.4mmのガイドワイヤーを目的気管支にスコープ下で挿入し, 到達したことろで, ガイドワイヤーを残し, スコープを一旦抜去. EWSをガイドワイヤーに通し, スコープで責任気管支に押し込み挿入した. 挿入後, 翌日にはリークは減弱し胸部CTでも肺は完全に拡張していた. EWSの挿入には術者の技量に差があり, 目的の責任気管支に到達するものの, 数mmの差でそこに挿入できない例もある. ガイドワイヤー下にEWSを挿入する手技は, 簡便で, 確実に責任気管支に挿入できる方法であり, 有用性が高いと思われ, 報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.3_195_4