1.急速に菌球形成したAspergillus nigerの1例(第48回日本呼吸器内視鏡学会北陸支部会)
症例は63歳, 男性. 3か月前より乾性咳嗽自覚し近医受診, 間質性肺炎の診断でPSL 30mg/日の内服を開始された. 1か月前から咳嗽の増悪と全身倦怠感あり当院紹介となった. 受診時38℃台の発熱と低酸素血症認め, 両側上肺野に吸気終末crackleを聴取した. 血液検査では左方移動を伴うWBC上昇と炎症反応上昇を認め, アスペルギルス抗原が陽性であった. 画像上で両側上葉に内部腫瘤を伴う空洞形成と広範な浸潤影が見られた. 気管支鏡検査を施行し右上葉洗浄液からAspergillus nigerが培養され, TBB組織所見よりシュウ酸カルシウムの沈着を認めたことから, Aspergillus...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 4; p. 265 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2009
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.31.4_265_1 |
Cover
Summary: | 症例は63歳, 男性. 3か月前より乾性咳嗽自覚し近医受診, 間質性肺炎の診断でPSL 30mg/日の内服を開始された. 1か月前から咳嗽の増悪と全身倦怠感あり当院紹介となった. 受診時38℃台の発熱と低酸素血症認め, 両側上肺野に吸気終末crackleを聴取した. 血液検査では左方移動を伴うWBC上昇と炎症反応上昇を認め, アスペルギルス抗原が陽性であった. 画像上で両側上葉に内部腫瘤を伴う空洞形成と広範な浸潤影が見られた. 気管支鏡検査を施行し右上葉洗浄液からAspergillus nigerが培養され, TBB組織所見よりシュウ酸カルシウムの沈着を認めたことから, Aspergillus nigerによる肺アスペルギルス症と診断した. MEPMとMCFGによる治療を開始したが第7病日に永眠となった. 本例はAspergillus nigerにより短期間で菌球を形成した稀な症例であった. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.31.4_265_1 |