成田ら"気管支動脈の著明な拡張,蛇行を呈した原発性気管支動脈蔓状血管腫の1例"

気管支鏡下の生検時に致死的大出血をきたす症例は気管支動脈系の病変であり, 原発性や2次性の気管支動脈蔓状血管腫や気管支動脈瘤として報告されている. 本報告には多くの気道内出血の原因となる蔓状血管腫の内視鏡的所見解析に有益な画像が掲載されている. これらの内視鏡所見を熟知することは検査時の大出血を回避する上で非常に役立つと思える. 我々が日常の気管支鏡検査時に遭遇する気管支動脈蔓状血管腫は胃の隆起性病変分類の山田I~III型に類似し, 気管支長軸方向に細長く突出する粘膜下病変として観察されることが多い. 成田らは考察で本邦報告の原発性血管腫の内視鏡所見37例をまとめ, 正常粘膜に覆われた隆起性病...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 3; pp. 141 - 142
Main Author 雨宮, 隆太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.31.3_141

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Summary:気管支鏡下の生検時に致死的大出血をきたす症例は気管支動脈系の病変であり, 原発性や2次性の気管支動脈蔓状血管腫や気管支動脈瘤として報告されている. 本報告には多くの気道内出血の原因となる蔓状血管腫の内視鏡的所見解析に有益な画像が掲載されている. これらの内視鏡所見を熟知することは検査時の大出血を回避する上で非常に役立つと思える. 我々が日常の気管支鏡検査時に遭遇する気管支動脈蔓状血管腫は胃の隆起性病変分類の山田I~III型に類似し, 気管支長軸方向に細長く突出する粘膜下病変として観察されることが多い. 成田らは考察で本邦報告の原発性血管腫の内視鏡所見37例をまとめ, 正常粘膜に覆われた隆起性病変で, 表面平滑, 緊張性, 半球状を呈することが多く, 拍動は16%に確認されたに過ぎないと記述している. 本報告例のように大きな気管支動脈蔓状血管腫は非常にまれである. 大きな血管腫であっても周囲の正常粘膜と同様の色調であり, 拍動を認めていない.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.3_141