山田ら"肺小型病変に対する気管支鏡下バリウムマーキングの有効性と安全性の検討"(1)

経気道的なバリウムマーキングは, 経皮的な針穿刺に比べ気胸などの合併症も少なく, 注入素材としてバリウムは注入後の移動や消失もなく, X線透視で容易に確認できるが, 場合によっては肉眼でも確認することも可能という, 多くの利点を有している. Kobayashiらの原法では, CT透視下で気管支鏡操作が行われているが, 著者らはCTで指摘された部位を臥位のX試写真上で推定し目印をつけ, その部にX線透視下にマーキングを行うという, より簡便化した方法を提案しており, これによりCT透視下で気管支鏡を行うことのできない施設においても本法が行えることを示した. しかし, 今回マーキングを行い切除した...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 2; pp. 51 - 52
Main Author 金子, 昌弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.31.2_51

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Summary:経気道的なバリウムマーキングは, 経皮的な針穿刺に比べ気胸などの合併症も少なく, 注入素材としてバリウムは注入後の移動や消失もなく, X線透視で容易に確認できるが, 場合によっては肉眼でも確認することも可能という, 多くの利点を有している. Kobayashiらの原法では, CT透視下で気管支鏡操作が行われているが, 著者らはCTで指摘された部位を臥位のX試写真上で推定し目印をつけ, その部にX線透視下にマーキングを行うという, より簡便化した方法を提案しており, これによりCT透視下で気管支鏡を行うことのできない施設においても本法が行えることを示した. しかし, 今回マーキングを行い切除した症例の内訳を見ると, 46例中21例, 特に充実性の結節では26例中17例は良性結節であり, 結果的には無用な胸腔鏡が行われたことになる. 今回幸いにして合併症はないとのことであるが, 100%安全な手術操作は あり得ず, また致命的ではないにせよ, 慢性的な痛みなどの後遺症に悩む症例は皆無ではないはずである.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.2_51