34. 髄液でEGF受容体遺伝子変異が証明された非小細胞肺癌による癌性髄膜炎の2例(第16回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

今回我々はRT-PCR法を用いてEGF受容体遺伝子変異を高感度に検出する系を作成し, 画像上では指摘が困難であった肺癌による癌性髄膜炎患者2名の髄液からEGF受容体遺伝子変異を検出した. 2名ともgefitinibによる治療が有効であった. 【症例1】47歳, 女性. 8年前に肺癌手術. 今回は意識消失発作, 痙攣のため緊急入院となった. 右上肺, 前頭葉に腫瘤あり. 気管支擦過, 髄液細胞診から腺癌が証明された. 頭部MRIでは強く髄膜炎を示唆する所見ではなかった. 髄液からEGF受容体Exon19の欠損が認められた. gefitinib内服治療により原発巣, 癌性髄膜炎とも著明に改善した....

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 30; no. 3; p. 163
Main Authors 山地, 康文, 坂東, 修二, 河野, 吉泰, 南木, 伸基
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2008
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.30.3_163_3

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Summary:今回我々はRT-PCR法を用いてEGF受容体遺伝子変異を高感度に検出する系を作成し, 画像上では指摘が困難であった肺癌による癌性髄膜炎患者2名の髄液からEGF受容体遺伝子変異を検出した. 2名ともgefitinibによる治療が有効であった. 【症例1】47歳, 女性. 8年前に肺癌手術. 今回は意識消失発作, 痙攣のため緊急入院となった. 右上肺, 前頭葉に腫瘤あり. 気管支擦過, 髄液細胞診から腺癌が証明された. 頭部MRIでは強く髄膜炎を示唆する所見ではなかった. 髄液からEGF受容体Exon19の欠損が認められた. gefitinib内服治療により原発巣, 癌性髄膜炎とも著明に改善した. 【症例2】75歳, 女性. 3年前に肺癌手術. 右肺に癌性胸膜炎で再発したため抗癌剤治療を行い有効であった. しかし, 認知症が進行し, 治療の中断があったため再増悪した. その後gefitinib内服治療により腫瘍マーカーの著明な低下が認められ有効と判断した. しかし, 意識レベルが徐々に低下し, 頭部MRIでは水頭症の所見であった. 死亡後の髄液細胞診で腺癌が, 髄液からEGF受容体Exon19の欠損が認められた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.30.3_163_3