19.重症肺炎に伴った気管支異物(歯のかぶせ)の1症例(第76回日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)
73歳, 男性. 痴呆, 大腿骨頸部骨折後, 陳旧性肺結核, COPD, 喘息で外来通院中であった. 本年1月24日から喀痰増量し, 呼吸困難を訴えていた. 1月27日呼吸困難著明となり, 意識消失したため, 救急搬送された. 重篤な低酸素血症を伴う両側肺炎で即入院となった. 入院時には意識改善していたが, その夜さらに呼吸状態悪くなり挿管後人工呼吸管理となった. 人工呼吸管理後の胸部X線写真で右中間幹に『歯のかぶせ様』の陰影が認められ, 呼吸状態が安定した後, 気管支鏡下に把持鉗子(消化管用FG-49L-1)を用い, 挿管チューブごと抜去した. その後, 気管支鏡下に再挿管し人工呼吸再開....
Saved in:
Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 27; no. 1; p. 86 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2005
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.27.1_86_2 |
Cover
Summary: | 73歳, 男性. 痴呆, 大腿骨頸部骨折後, 陳旧性肺結核, COPD, 喘息で外来通院中であった. 本年1月24日から喀痰増量し, 呼吸困難を訴えていた. 1月27日呼吸困難著明となり, 意識消失したため, 救急搬送された. 重篤な低酸素血症を伴う両側肺炎で即入院となった. 入院時には意識改善していたが, その夜さらに呼吸状態悪くなり挿管後人工呼吸管理となった. 人工呼吸管理後の胸部X線写真で右中間幹に『歯のかぶせ様』の陰影が認められ, 呼吸状態が安定した後, 気管支鏡下に把持鉗子(消化管用FG-49L-1)を用い, 挿管チューブごと抜去した. その後, 気管支鏡下に再挿管し人工呼吸再開. 肺炎の軽快とともに人工呼吸から離脱. その後膵炎も合併したが重症化することなく2月25日退院した. 歯のかぶせのような大きい気管支異物で, さらに呼吸状態の悪い人工呼吸下の症例において, 消化器用把持鉗子は短時間で確実な抜去が期待出来る. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.27.1_86_2 |